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華姫奇譚  作者: 葛籠屋 九十九
第3章 華姫騒乱編(下)
208/361

幕間2

 「随分なやられ様じゃないか」


 囚人用護送車に男が2人、京獄と名乗った男と自由の身となった城ヶ崎が乗せられていた


 「おやおや、手枷くらいはつけておいた方がよかったのでは?」

 「そんなもん必要無いだろう」

 「随分と随分と舐められたものですね」


 城ヶ崎は青筋を浮かべながら京獄に食ってかかる


 「気が付かないとはらしくないな、そんなに余裕がなかったのか?」


 京獄は胸ポケットから煙草を取り出し火をつける。その動作を見て城ヶ崎はハッとした。この男は京獄ではなく自らの味方であると


 「・・・まさか貴方は」

 「ご明察。この姿は疲れるが暫くはこのままで居なければな」


 京獄の姿をした何者かが煙草をふかしながら吐いた煙で輪っかを作ったりして遊び始める


 「その後様子だと京獄の制圧は完了したということでしょうか?」

 「あぁ、だがしばらくの間は通常通り町を動かして偽装しておかなければな。下手な動きをすればすぐにでも火野姫と最上が潰しに来る、それに奴らも従順な狗に調教してやらねばならん」


 吸い終えた煙草を座席に押し付けそのまま次の煙草へと手を伸ばす


 「左様でございますか」

 「それで、今回の損失どうするつもりだ?アルカンスィエルもそう長くは持たんだろう」

 「その件は心配ありません。既に薬は完成しておりますし密売ルートはまだ生きております」

 「そうか、命拾いしたな」

 「えぇ・・・」


 城ヶ崎は向けられた冷りとした眼光に怯えながら頷く。もしもこの場で返答を間違えば死、あるのみ。城ヶ崎の頭は恐怖に埋め尽くされながら護送車で華姫の地を後にしていった

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