幕間1
「やぁ、来ると思っていたが随分と大変だったみたいだね」
店に3人組が踏み入れたと同時に中性的な容姿の店主が待っていたよと言う様に椅子から腰を上げ出迎える
「えぇ、貴方の作戦のせいで部下が1人殺されかけたわ」
3人組の先頭を行く女、レベッカ・フォルテハイドが悪態をつくように吐き捨てる
「それは失礼。しかしまぁ死なないのは分かっていたけどね」
店主は笑う。この会話すらも予期していたかの様に
「未来が見えるという風な物言いね」
「んー、とりあえずはそんな所かな」
「それなら貴方が良いように動けばいいじゃない」
「ごもっともな意見なんだけどね、私は表立って動けないのさ」
店主はやれやれと首を振りお手上げだという風に手を上げて振る。素振りは飄々としているが眼は何処か遠くをしっかりと見据える様な不可解さと力強さを感じる。まるでこれから何かが起こる、それを全力で阻止しようとしているかの様なそんな眼だ
「よく分からない人ね・・・ひとまず仕事の報告よ、アルカンスィエルからの刺客は粗方片付けたわ。数の多いだけの雑兵だったから大したことは無かったわ。それで城ヶ崎も京獄だったかしら?それが連れて行ったしコレで一件落着と言ってもいいんじゃないかしら?」
「そうか・・・連れて行かれてしまったか・・・いや、今はそれでいいかもしれないね。まだアレの手のひらの上の方が都合がいいかもしれない・・・」
「アレってなによ」
「悪魔さ」
店主はそう言い放って店の奥へと姿を消して行った
「ちょっと!詳しく説明しなさいよ!アベリア、ウツギ、そこで待機してなさい!」
レベッカが店主を追い店の奥へと進むとそこには誰も居らず、今回の報酬だよとだけ書かれた書き置きと共に束ねられた札束が置いてあるだけだった




