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華姫奇譚  作者: 葛籠屋 九十九
第3章 華姫騒乱編(下)

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第7幕 メール

ヴァンさんからのメール、正確にはレベッカって言う変態からのメールは衝撃的だった


添付写真と男性諸君がんばれ。レベッカよりと書かれただけのメール。それは城ヶ崎からの作戦の伝達メールを撮ったもので内容は




傭兵の諸君長旅お疲れ様(*´▽`*)


華姫への襲撃は本日より2日後の7/19午後1時からと致します。それまで各々体調を万全のものとしてください


くれぐれも襲撃の際は一般市民に手を出さないようにお願いしますm(_ _)m


彼らは華姫を乗っ取った後の貴重な労働力となりますので狙うは鬼姫及び拾弐本刀に連なる者たちのみです


皆の健闘を祈ります(`・ω・´)/




というものだった。正直な感想をいうと内容どうこうよりキッッツ!!50代のおっさんの顔文字メールは普通にキツい!アイツそういうキャラなの!?えぇ・・・印象一気に変わったわ


まぁそんな個人の感想なんて後でいい。重要なのは・・・ダメだ・・・やっぱり顔文字が気になる!

でもまぁ一般市民には手を出すなと打ち込んでいるのを信用するなら避難を解除してもいいだろう。もしこのメールがきっちりとした命令だと言うのなら街中で暴れるなんてしないだろうし


「なにこれ。城ヶ崎からのメール・・・?キモっ・・・」


虎織が我輩の携帯の画面を覗き込みそう言った。最後の一言は人生で1度も聞いた事がないほどに軽蔑の感情が篭っていた


「ん?もう1枚添付されてる写真あるみたいだよ?」


虎織の一言で我輩はその1枚の存在に気付く。嫌な予感がする


「蓮、転送しておくから中身を確認してくれ」

「大丈夫だ。こっちも送られてきてる。まぁ開いてみるのもいいんじゃないか?自己責任だけどな」


これは蓮が悪巧みしてる時の口調だ絶対ろくなことにならないやつだろ。ドッキリ系か・・・?


「開けてみようよ」


虎織がそういうならと画像ファイルを開いた瞬間目に何かが入った様な・・・というかこれは目潰し・・・!めっちゃ痛てぇ・・・!思わず携帯を手から落としてしまった様だが落下音は聞こえない。多分虎織がキャッチしてくれたのだろう。でも多分この目潰しの犯人も虎織なんだろうな・・・冷たく刺す様な殺気が後ろで渦巻いている


「ちょっとレベッカさんのところに行ってくるよ。喧嘩売られたみたいだし」


虎織が御機嫌斜めになりながらそう言って病室の戸が思いっきり開く。かなり怒ってるみたいだ・・・

目の痛みは引いてきたから目を開けると膝にスマホが乗っかっていた


「蓮、あのファイル何が写ってたんだ?」

「見るか?目潰しされた意味が無くなるぞ」

「・・・やめとく」

「あれはねー金髪のお姉さんの下着姿で目元隠してる写真だったよ。鬼みたいな速度で消去してたけどねー」


雪が笑いながらそう言った


「・・・そりゃ怒るわな。ちょっと止めてくるよ」

「気をつけてな。今の雪城完璧にやべぇやつの雰囲気有ったからな。ありゃ殺す気満々の時の殺気だぞ」

「まぁ殺されるならそれはそれでいいかな」

「いいねぇ相思相愛って感じで。羨ましい限りだよ」


雪のその言葉を背に袖から風切を引き出す。今の虎織を素手で止めに行くのはちと怖いからな。殺されてもいいとは言ったができる限りは死にたくないからな


窓から魔術式を足場に走る。虎織が本気で走ってるなら空を使ったショートカットをすれば何とか追いつけるはずだ


「居た!」


走って3分。ポニーテールが揺れるどころか宙に浮いているようになっている虎織の後ろ姿を捉えた。ここからは全力で走らなきゃだな・・・


魔術式を蹴りそのまま降下していく。思ったより加速がついてな・・・これ魔術でどうにか制御できるか!?

無理だったらまぁ仕方ないか


「虎織ぃぃ!ストップぅぅうあぁぁぁぁ!」

「えっ!?将鷹!?」


勢いは殺しきれずにアスファルトにぶつかりそうになるが寸前で手を使ってクルクルと前方へと転がっていく。羽織の衝撃吸収性能があるからあんまり痛くないがしかし羽織の無い場所が普通に痛い。特に足が


「やっ、やっと止まった・・・」

「大丈夫!?」

「あー大丈夫だと思う」

「というかなんでここに?」

「虎織を止めに来たというかなんというか」

「なるほど。じゃあ写真見た?」

「内容は聞いたけど見てはない」


虎織がホッと一息ついてから言葉を紡ぐ


「そっか。止める理由は聞いてもいいかな?」

「そうだなぁ端的にいうと虎織にくだらない事で怪我して欲しくない、ただそれだけだ」

「くだらない事かぁ・・・将鷹はそう思ってるだろうけど」

「我輩からしたらくだらない事だ。そんなに目くじら立てることか?」

「・・・怒るよ」


キッっと我輩を睨む虎織。こうやって睨まれるのは随分と久しぶりな気がする・・・というかこれ我輩の言葉足らずで怒らせてるよな・・・


「ごめん、言葉足らずだった。そのー、虎織は我輩が他の女に目移りすると思ってるかもしれないけど我輩は虎織しか見てないからな」

「うぅ・・・それちょっとずるい・・・でもこれはレベッカさんからの挑戦状みたいな物だと思うから行ってぶん殴らないと気が済まないかなぁ」

「ありゃ、随分とご立腹で」

「そりゃ彼氏にほぼ裸体の写真送り付けて来るとかもう宣戦布告でしょ」


まぁそれもそうか・・・ん?待てよ?レベッカさんもしかして・・・いやいや流石にそこまで人間終わってないよなぁ


「やりすぎない様に止めてね?」

「はいはい」


こうして結局虎織と喫茶青空へと向かうことになったのだった


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