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華姫奇譚  作者: 葛籠屋 九十九
第3章 華姫騒乱編(上)

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第3幕 ブラックジョーク?

「お兄ちゃんおかえりー・・・って琴葉様も一緒やったんじゃねー」


アリサがエプロンの紐を解きながら玄関まで歩いてきた


「あーごめん。そういえば連絡してなかったな・・・」

「気にせんでもええんよー。ご飯丁度1人前余った所じゃし」

「という事は虎織は今日は実家でご飯か」

「らしいよー。たまには家族団欒ってやつじゃー。まぁうちらも家族みたいなもんじゃけんど。にしても虎姉不在の時に女の子連れ込むとかお兄ちゃんも隅におけんねぇ」

「はっはっはっ。そんなブラックジョーク誰から教わったんだ?」


必ず一言は文句言ってやる


「琴葉様」

「琴葉ちゃん、我輩の妹になんつージョーク教えてんだよ!怒るぞ!」

「もう既に怒ってるじゃない・・・その年頃の女の子にしてはピュア過ぎたからジョークの1つを教えただけよ。きっちりかっちりした軍属だったって訳じゃないんだし。少しは妹離れしなさい、このシスコン」

「シスコンは否定しないが流石にジョークが行き過ぎているというかなぁ・・・」

「お兄ちゃん、そんなに怒らんで。多分素でもこんな反応じゃけぇ・・・」

「我輩節操無しと思われてない!?」

「まぁお兄ちゃんはほら、虎姉一筋なのは分かるけど他の女の子達の押しに弱そうじゃけぇ」

「否めない・・・!」

「こう、必要ならキスしそうな感じ?」

「あーそれめちゃくちゃわかるわ。助けるためなら普通にする感じ、でもえぇ・・・って言ってちょっと覚悟決めてからやりそうよね」


どうやらこの2人から見た我輩のイメージはそんな感じらしい。我輩ってそういう風に見られているのか・・・いやまぁ全員が全員こんな感じとは限らないし


「さて、立ち話もなんだし手洗ってご飯食べよ!」


アリサは手を叩いてそう言う。とりあえずはこの会話は終わってくれたみたいだ



「それにしても琴葉様が家に泊まるなんてどうしたんですか?」

「気分よ気分。たまには誰か気の許せる人が居る所で寝たいじゃない?」

「なるほど・・・琴葉様は割と寂しがり屋っと・・・」

「将鷹、アリサちゃんっていつもこんな感じなのかしら?」

「まぁいつも通りだ。真実を見抜く眼というかな。そういうのに長けてるんだよ」

「それじゃあ私が寂しくて将鷹の家に来たみたいじゃない!」

「みたいじゃなくてそうでしょうが・・・」

「せめて年下の前では見栄とかそういうのはらせなさいよ!もう少し空気読んでちょうだい!」


どうやら恥ずかしかった様で顔を赤くして手のひらで顔を隠して悶えていた。こういうところは子供というかなんというかな


「琴葉様可愛いー。妹みたい」


アリサ、やめなさい。と言おうと思ったが聞こえてないフリをしておく。下手なことを言うと多分我輩が怒られる


「妹・・・悪くないわね・・・」

「やめい。我輩の妹の妹になろうとするな」

「何かしらお兄ちゃん?」


不覚にも可愛いと思えてしまった自分が情けない・・・これが俗に言う妹萌えと言うやつなのか?


「お兄ちゃんってのはやめような琴葉ちゃん!」

「えーなんでよお兄ちゃん」


揶揄うように琴葉ちゃんは我輩をお兄ちゃんと呼ぶ


「お兄ちゃん、妹、2人になっちゃったね」


アリサが耳元で囁く。何この状況?もう訳が分からなくなって来た・・・


「アリサはいいとしても琴葉ちゃんは手が掛る妹だな・・・多分」

「そんなことはないわよ。これでも私しっかりしてるのよ?」

「部下に朝飯作らせてる人の台詞かそれ・・・?」

「何よ。お兄ちゃんは私の仕事ぶりを見てそんな酷い事言ってるのかしら?」


あーこういう時は褒めるのがいいな。というか琴葉ちゃんの働きは褒める他ないし


「お兄ちゃんはやめろっての・・・いやまぁ琴葉ちゃんがよく頑張ってるのは知ってるよ。偉いな」

「うちは?」


ずいっとアリサも我輩の正面に来る。全く、困った子達だ・・・と少し年上みたいな感じの感想を持ったが良く考えればこの中の最年長は琴葉ちゃんなのだ。まぁ3ヶ月の差なんだけど


「アリサも最近よく頑張ってるらしいな。大和先生が褒めてたぞ」

「えへへ」


ポケットに入れていた携帯が振動する。どうやら電話のようだ。

ディスプレイには非通知、嫌な予感がする・・・だが指は通話ボタンを押し、腕は携帯を耳元に持っていく


「誰だ?」


我輩は開口一番相手の素性を問う。一切声が聞こえない。それどころか環境音すら聞こえて来ない。それはただただ不気味で底知れない恐怖があった


「気をつけろ。奴らは鬼姫を狙っている」


魔術でノイズをかけ機械加工された声。誰のものかは分からない。だがハッキリしているのはこいつは我輩の事を知っているという事だ


奥からベルの様な音が聞こえた。

考えることも無くハッとした


「ヴァンさん」

「バレたか。存外早かったな」

「ベルの鳴る音で気付きました・・・全く、趣味が悪いですよ」

「ハッハッハっ!いやーすまんすまん。どれだけ困惑するかちょっと気になってな」


ヴァンさんは陽気に語り出す


「どうやら今回はアルカンスィエルって奴らが関わってるらしい」


やっぱりそうか・・・


「あの犯人が言うには1週間しない間にアルカンスィエルは華姫に乗り込んでくるらしい。そして鬼姫の殺害及びこっちに逃げてきてる2人組を捕縛し男は殺して女は連れ帰る予定だそうだ」

「琴葉ちゃんを狙う動機が全くもって見えないんですけど?」

「どうやら下っ端過ぎてそこまでは伝えられてないらしいぜ。またなんかあったら連絡する」


じゃあなと言ってヴァンさんは通話を切った。事は動き出した。これはまた厄介なのが来そうだ

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