第42話 ニセトウカ対策会議ですわ
「つまり、トウカそっくりのアバターを作ったプレイヤーがマナーの悪いプレイをしている、ってわけね」
「はい……」
「最初に現れたのはイベント直前からですね。イベント当日にも出現していたお陰で別人だという証拠ができたので、炎上は一時的に鎮静化しています」
ギルドで、今回の事件について会議が行われていた。
「でも今後もずっと出続けるんだったら困るわね……」
「外見はそっくりですから、勘違いする人は必ず出ます。迷惑極まりないですが……」
皆はトウカを見て申し訳なさそうな顔をした。
解決してやりたいが、そっくりなアバターもマナーの悪い行為も、ゲームの規約に違反していなければ咎められない。
地道に誤解を解くしかないかと話がまとまりそうだったところへ、どこかへ出かけていたバサラが帰ってきた。
「お前どこほっつき歩いてたんだよ」
「キルされたっていう奴に話を聞いてきた。ニセトウカ問題、解決できるかもしれないぞ」
言って、バサラはその手に持っていたものを見せた。
「……なんですの、これ」
「これって……弾丸ですか?」
ごつい掌の上に乗っていたのは、およそファンタジー世界には似つかわしくないライフルの弾丸だった。
「扱いとしては『武器』になってるオブジェクトだ。キルされた奴は、『トウカ』にこれで撃たれたらしい」
「撃たれったって……銃で? そんなものこのゲームで作れるんだね……」
「いや、作れない。少なくともこれの使用者は作っていない」
マスターの声に、バサラがハッキリと答えた。
「この武器には作ったプレイヤーの名前が登録されていない。必ずあるはずのデータが欠損したオブジェクトになってる」
「どういう意味だ……?」
「どうやら、この弾丸は別ゲームのオブジェクトモデルがそのまま使われてるらしい。別のゲームから持ち込んだ密輸品ってとこだな」
「なるほど……だったらニセトウカも倒せるかもしれないわね」
「……?」
話についていけないトウカを見て、アンジュが結論をまとめる。
「ニセトウカの使ってる武器は改造で作られたものだ。つまりそいつはゲームの規約に違反してる。これの持ち主をあたしたちで見つけ出して、垢BANしてやろうぜって話だよ」




