ヲタッカーズ8 ヒロインインタビュー
ある日、聖都アキバに発生した"リアルの裂け目"!
時空海賊、ギャング、宇宙人の聖都侵略が始まった!
聖都の危機にアキバのCharlie's angels
"ヲタッカーズ"が立ち上がる!
オトナのジュブナイル第8話です。
今回は、神田川の原潜事故で酷評された"ヲタッカーズ"は、小さな善行を積みヲタクの信頼を勝ち得て行きます。
同時期、古代火星の女王が異次元昆虫を配下にして秋葉原征服に乗り出しますが女王は実は…
お楽しみいただければ幸いです。
第1章 スズキくんとサリアさん
スズキくんが尻に敷かれてるw
超古代文明の洗脳作戦からアキバを救った英雄達は、僕達を除き全員記憶を消されてる。
スズキくんも消された口だが、彼はアキバ封鎖を突破し洗脳電波を遮断した立役者だが…
尻に敷かれてるw
「アンタ!知っての通り"ヲタッカーズ"は失敗続きよっ!」
「え?"ヲタッカーズ"?何ソレ?美味しいの?」
「謎のコスプレ集団よっ!連日"デイリーヲタネットがトップで報じてるじゃない!知らないの?」
スズキくんを尻に敷き、檄を飛ばしてるのはサリアさん。
彼女はスマホTV局"ワラッタ"の敏腕プロデューサーだ。
スズキくんも"ワラッタ"出身だが、独立し今はフリー。
「アキバの大事件となると必ず現場に現れる謎の女の子達。"スーパーヒーロー界のAKB"とか呼ばれてる。事件解決のお役に立ってるかは不明だけど」
「へぇ。そー言えば、この前、戦隊ヒーロー"地下鉄戦隊メトロキャプテン"の悪の女幹部と会ったょ」
「えっ?ソレって"ムーンライトセレナーダー"ょね?"ヲタッカーズ"の女ボスじゃナイっ!何でアンタが? ムカつく!」
「でも何処で会ったのか、どーしても思い出せないンだ」←
「とにかく!"ヲタッカーズ"の物語は、アキバNo.1メディアである私達が作って逝くベキよっ!そのタメにも彼女達を盛り上げ、他社を出し抜くには独占インタビューが必要だわ…あら?何ょ?」
「ごめん。思い出し笑いだ。ネットで見た仔犬の動画が傑作でさ。後で送るょ」
「要らない!ねぇアンタのコネでインタビュー出来ないかな?私を女にして!」
「毎晩してるだろ?」
「バカ」
ん?スズキくん、サリアさんと結婚したの?
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
あっさりマチガイダのチリドック1本で買収された僕は、早速ミユリさんに振ってみる。
「困ります!インタビューなんて無理だわ。スズキくんだって馬鹿じゃない。直ぐ私だと気づきますょ?」
「ミユリさんだナンて絶対バレないょ」
「どうして?」
「え?どーして?うーんソレは…ミユリさんだとは夢にも思ってないからサ。身近なメイドがスーパーヒロインだなんて誰も思わない」
「テリィ様は、何か理由がお有りになって"ヲタッカーズ"を結成されたのでしょ?タダのヲタクなサラリーマンでいるほうがズッと楽なのに」
「そりゃ働かないと食ってけないし、電気も止められちゃう」
「だったら、黒幕としてテリィ様がインタビューをお受けになれば?」
「会社がうるさくてさ。コレでも一応サラリーマンなんだ」
「顔をお隠しになれば…」
「"ゼーレ"みたいに?sound only?」
「スズキくんはともかく、サリアさんは諦めナイでしょうね」
「何とかスルょ」
「どうしましょう?"ヲタッカーズ"を名乗るのが早過ぎたのでは?」
「ミユリさん、窓の外を見て。何が見える?」
「電気街に乱立する雑居ビルと看板広告。あのバーでいつも年齢を確認されますw」
「助けを求めるヲタクがいる。ヒロインが必要ナンだ」
「そう思いますか?」
「アキバを守るのはミユリさんしかいない」
「ありがとう。今のテリィ様の言葉にスゴく励まされました」
「ソレが本心だ。ミユリさん相手だと、隠しゴトをせズに済むからホッとスルょ」
「昔から嘘が下手ですモノね?」
「そう思わせてただけサ」
ココでミユリさんにスマホ着信。
「ミユリ姉様、応答して」
「エアリ?もぉ!何なの?私達、コレから、良いトコロ…」←
「もしかして…ペッパー警部?姉様!神田川の原潜ブンカーで火災発生よっ!今、マタハを迎えにやったから」
「ええっ…テリィ様。原子力火災みたいです。逝かなきゃ」
「原子力なら第3新東京電力を呼ぼうか?」
「やっと、自分達の能力を生かせるようになった気がします。チャンスを無駄にしたくありません。ソレに…"ヲタッカーズ"にピッタリの仕事だと思いませんか?」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
和泉橋の東1kmぐらいに、神田川を塞ぐ形で潜水艦が炎上してるw
第2次世界大戦中にドイツ海軍が建造したU-boatのtype Ⅶ-Cか?
現場でミユリさんが神田消防のハシゴ小隊長と緊急ブリーフィング。
「助かった!"ヲタッカーズ"が来てくれた!」
「小隊長、状況は?」
「秘密ブンカーに入港予定だった潜水艦が火災を起こし操船不能だ。火が燃え移れば爆発の可能性もアル。厄介なコトに非公開情報に拠ると原潜らしい」
「遣独潜水艦ね?南極ナチスとの技術交流を行ってる船だわ。間違いなく原潜ね」
「もう時間がない。"ヲヴァンゲリオン映画版"みたいに艦底から持ち上げて…」
「あ、そーゆーの無理。アニメじゃ無いンで」
「じゃどーすンだ?火災はヒドくなる一方だぞ?何やってんだ?」
どっかーん!
大爆発を起こしU-boatは真っ二つに折れて着底!凄まじい水蒸気を噴き上げ火は消えるw
一同は思わズ首を竦めたが、ソレ以上の爆発は起こらズ…ただ、漏れ出た重油が黒々と…
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
翌日のデイリーヲタネットの見出しは…
「何なの、この見出し!"ヲタッカーズは役立たーズ?"許せないわ!」
怒っているのはミユリさん…ではなくてスマホTV局"ワラッタ"のサリアさんだ。
さらに、ヲタネットで放送中のニュースショーが、遺憾無く火に油を注ぎまくるw
「…"ヲタッカーズ"の救援活動が生態系に大打撃を与えました。スーパーヒロインは、今や一転して環境テロリストです!」
ニュースショーの画面は、ココでレポーターから如何にもヲタクな風貌のサクラに切替w
「子供達の未来が問題だ!ヲタクの聖地アキバは"ヲタッカーズ"の登場以来、悪党との戦いの舞台となり、街の修復費用は4倍に膨れ上がっている!」
ヤタラと詳しいょ←
仕込みの劇団員だw
怒り心頭に発したサリアさんがTV前に集まった"ワラッタ"社員に向かって檄を飛バス!
「みんな!デイリーヲタネットは必死に特ダネを探してるけど、ウチも負けらン無い!私は"ヲタッカーズ"と話をしたいの。女同士でね。期限は今週末よ。さ、行って!みんな、何とかして"ヲタッカーズ"のアポを取って来て!ほら早く!…って、ちょっち待ちなさい、ダーリン!私が気づいてないと思う?」
サリアさんに首っ玉を摘まれるスズキくん。
「ありゃお見通しかw」
「いいえ。何が原因か全く興味ナイけど、仕事に支障が出てる。だから、ジムに通うか、セラピーを受けるかして、頭をスッキリさせてから仕事に集中して頂戴」
「YES ma'am」
第2章 襲撃!スチノ化学
深夜の人通りの絶えたパーツ通りの裏路。暗闇が裂けて、空間に赤く輝く裂け目が走る。
"リアルの裂け目"だw
「ヤメてくれ。面倒はゴメンだ」
「なら隠れてろ。虫らしく石の下にでも。ソンなお前でも、リシィ女王が面倒を見て下さる。お前は忠誠を誓うだけで良い」
「女王には俺に構うなと言え」
「自分でお伝えしろ」
"リアルの裂け目"からリシィ女王登場。
「おい、女王!俺を巻き込むな」
「言ったはずょ?力を合わせれば、より強くなれる。私の姪が二本足を手助けしてる。ミユリょ。あの小娘をおびき出して」
「"ヲタッカーズ"とは、やり合いたくねぇ」
「あら?コレはね、提案じゃないの。命令ょ」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
神田川沿いにある化学工場"スチノ化学"の警備室。夜中も構内をカメラ画像で監視中。
「"ヲタッカーズ"に推しメンいる?ヲレはエアリ。巨乳だから」
「人は乳のみで生きるに非らズ。ヲレは微乳でもミユ…ん?セクター52の画像が消えたぞ?」
「カメラの故障かな?新電力に変えてから電圧が良く揺れる。見て来よう」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
"スチノ化学"のセクター52。
パイプとタンクのジャングル。
「おい!そこで何してる?
「もう用は済んだ」
「身分証を見せろ。タンクから離れルンだ。警備主任!セクター52に侵入者…ギャー!」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
数分後、現場にアキバ防衛秘密組織"ジャドウ"の緊急展開部隊の車列が続々到着スル。
「テリィたん?何しに来たの?"ヲタッカーズ"は呼んでナイわょ?」
「アキバの事件はヲタクに任せろ。邪魔か?」
「未だ邪魔じゃないけど…じゃ周囲を調べて来て」
「ココは、次亜塩素酸ナトリウムなどの化学薬品を製造してルンだな」
「YES。つまり、ケミカル爆弾の原料ね」
「また自爆テロか?早く犯人を探そう」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
警備主任から話を聞く。
「画像が消えたのでパトロールを出したら絶叫を最後に…」
「異次元昆虫"ダグラ"の仕業だ。パトロールの死体に刺さってた針に見覚えがあるわ」
「どんな種族なの?」
「1958年にアイダホで目撃されてる。でも、詳細は不明。巨大、と言っても人のサイズだけど変幻自在に擬態するの。人間にもね」
「人型の昆虫が化学兵器をつくってアキバでテロでも起こす気か?驚きの連続だな。見つけてくれたら"ヲタッカーズ"が倒すけど?」
「その前に、殺されずに戦えるって証明して頂戴」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
人工霧に覆われた格闘技練習場"霧の穴"。
ミユリさんとエリザが静かに向き合ってる。
ミユリさんは"ムーンライトセレナーダー"のコスプレだ。エリザは黒の柔道着を着用。
「何するの?」
「"ジャドウ"メンバーは、5カ月間毎日12時間ココで訓練を受けるの。ミユリさんがモノホンの戦士かを確かめたい」
「え?電撃でアキバを焼け野原に出来るのょ?"リアルの裂け目"から襲来スル敵も倒したわ。大丈夫よ」
「ホントに?」
いきなりパンチ。
ヨロめくミユリ。
「何スルの?」
「室内に"電撃消滅ガス"の放射体を設置して、害のない程度にミユリさんの力を弱めてアル。コレで公平でしょ?」
「"電撃消滅ガス"の存在は、人類は知らないハズょ?」
「"ジャドウ"が闘って来た連中には、超人的な力があった。彼等は、特殊な能力を持ち、ソレを自由自在に使いこなした。私達は、敵の正体が不明だから、常に万全の備えが必要なの。さぁかかってきなさい!」
パンチを繰り出すミユリ。
難なく身を交わすエリザ。
「大振りするから隙だらけだわ。格闘センスがナイから電撃だけに頼ってる。敵が格上の時は、もっと相手の力を利用して」
ミユリのパンチを躱して一本背負い!
マウント取り腹にストマッククローw
ミユリが身悶え絶叫スルw
「ギ、ギブアップ!わかったわ…もう充分ょ。私は"ジャドウ"向きじゃない。"ヲタッカーズ"は単独でやって逝くから。何ょココまでしなくても」
「感謝して。私は貴女の命を救ったの」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
その夜、閉店間際の御屋敷。
僕とミユリさんのふたりにw
「ミユリさん、今日は歩き方が変だったょね?」
「…キ、キックボクシングを始めたのです、実は。もっと強くなりたくて」
「コレのせいかな?」
僕は、デイリーヲタネットを示す。
見出しは"ヲタッカーズ大失態"w
「…テリィ様は、ソンな記事は読んじゃダメです」
「アキバを守ろうとする"ヲタッカーズ"がナゼ批判されちゃうのかな?」
「そもそも、女子って男子の倍働いても、その半分しか評価されない生き物だから」
「この前、飛行艇を救ったょね?」
「そうですね。でも、入江に投棄して…撤去のための徹夜作業が未だ続いてます」
「遣独潜水艦の原子力事故も未然に防いだ」
「石油を流出させてね。ソチラも今、除去作業中です。私、魚は嫌いですが、神田川で魚が泳いでくれてたらホッとします…テリィ様。もしココに"ムーンライトセレナーダー"がいたら、原作者として、どんなアドバイスをなさいますか?」
「…肩の力を抜け、かな。クールダウンさ。張り切り過ぎだょ」
「人助けのためです」
「でも、迷惑をかけちゃ逝けない。真新しいコスチュームを着た新人なのに、危険のど真ん中へと突っ込む。今度は落下してくる隕石でもキャッチする気かい?大惨事だょ恐竜絶滅だ。一歩ずつ学ばなきゃ。そして、一歩進むごとに無知や無理解と闘うンだ。必死に働いて、腕を磨いて、いつか人の役に立つ。誰にも迷惑をかけずにね。小さな仕事からコツコツ積み上げルンだ。ところで、僕のムニエル、神田川の魚じゃナイょね?」
「もちろん、違います。では、5分後にパーツ通り裏の路地に集合なのです!」
「え?屋上ヘリポートはやめたの?」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
結局、屋上ヘリポートだw
地球が丸く見える超高層←
「あ、テリィたん。何しに来たの?」
「え?ミユリさんに呼ばれたンだ。時々来るンだょ。一服しに」
「テリィたん、タバコ吸ったっけ?」
"ヲタッカーズ"のエアリとマタハだ。
ミユリさんが足取りも軽くやって来る。
「みんな、御苦労様。ところで!私達、スーパーヒロインは、もっとヲタクに認めてもらう必要があると思うの」
「いきなりステーキ…じゃなかった、イキナリ何なの?」
「私達には、経験が必要ょ。小さなコトから始めましょう。ソレには2人の協力が必要なの」
「ROG!」
エアリとマタハは異口同音だったと思うけど早くもドッチが先に答えたかでモメているw
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「ピザ店で武装強盗ょ!」
「マタハ!君のロケット兵装備は、弾を跳ね返す。弾を跳ね返す時は周囲の人に危害が及ばないよう気をつけろ!」
「ソレに装備も壊さないでね。修理には、国家予算を組まなきゃだから!」
数分後。
「レジの金を寄越せ。ほらサッサとしろ」
強盗が振り回す銃の銃口をマタハが塞ぐ。
次の瞬間、強盗が引金を引き銃が暴発を…
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「お次は?」
「患者を乗せた神田消防の救急車が渋滞にハマってる。救急車の重さは約4トン。44498ニュートンの力で…」
「魔法で運んでも良い?」
悠々と空を飛ぶ救急車を見た渋滞中の全車から"空中輸送"のリクエストが一斉に殺到w
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「"ヲタッカーズ"は意外に便利!」
「アキバ発のお役立ちガールが誕生か?」
「"ヲタッカーズ"のリーダー語る"どんな小さなコトでも声をかけて"」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「ミユリさん!ほのぼの系だけど木登りして降りられなくなった子猫の救出依頼が来た。実は、消防署がウチに回して来たネタなんだけど、頼むょ!」
「現場のミユリです。どうぞ…って子猫じゃナイわ、テリィ様。蛇ナンですけど!」
「カワイイ名前に騙された。ゴメン」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
さて!翌日のヲタネットの見出しは…
"ヲタッカーズ、目覚ましい活躍で石油流出のミスを帳消し?今やアキバ発のスーパーヒロインだ!"
「大成功よ!アキバのヲタクが"ヲタッカーズ"を認め始めたわ。私達は認知された!」
「2人のおかげだわ。ありがとう、エアリ。マタハも」
「あら?ピザなんか頼んだ?」
御屋敷で騒いでるとウーパーのデリバリーと共に"ジャドウ"のエリザ司令官が御帰宅。
「話せる?ねぇねぇ"ヲタッカーズ"のみなさん、ヲタクに正体をバラすなんて良い考えだと思う?」
「ヲタクの友達を作るのも"ジャドウ"の規則に反するワケ?」
「突っかからないで。謝りにきたの。この前はあんなやり方をすべきじゃなかった。でも、ミユリさんを思ってのコトょ」
「確かに、私達を前から気遣ってくれてる。でも、私達はタダのヲタクじゃない」
「私は、ずっと貴女達の友人ょ。貴女達が"リアルの裂け目"から襲来スル怪人と戦うようになってからも」
「怪人や宇宙人と戦っていても、私達は"ジャドウ"を信じてる。私達は…まだ確かに未熟よ。でも、私達を信じて欲しい」
「わかったわ…あ、電話…了解。5分で行くわ。"ジャドウ"に戻るわ。また、連絡します」
第3章 ハンティングタイガー作戦
同じ時刻、スマホTV局の"ワラッタ"。
世間的には良くあるがアキバでは稀な…
痴話喧嘩が発生中w
「アンタ!"ヲタッカーズ"へのインタビューの件、どーなってるの?」
「え?最近は認知されたから、もう必要ないかと思ってたw」
「ええっ?!だからこそ1番に取材したいに決まってるじゃナイ!私のピロートークが遠回しだったかしら?」
「いや。叫んでばかりで…」
「"ヲタッカーズ"は、ファッションじゃないわ。アレは、ヲタクのチームロゴょ。ソレから、テリィたんが怪しい。彼は"ムーンライトセレナーダー"の恋人かヒモか…とにかく関係者だわ。アンタは彼の友達ナンでしょ?ナゼ、そのコネを仕事に生かさナイの?」
「ヲタクを仕事に持ち込まない主義だ」
「私は負けを認めない主義。アキバの女トランプょ。ねぇアンタはドチラを重視スル?確かにアンタは立派なモノ…じゃなかった男ょ?でも、私と会社の利益も考えて頂戴。何とかして"ヲタッカーズ"とのインタビューをセットするのょ。アンタに残された時間は23時間と59分」
「ダメなら?」
「離婚」←
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
さて。話をメインストリームに戻そうw
エリザ司令官を呼び戻しアキバ防衛秘密組織"ジャドウ"の司令部で作戦会議が始まる。
場所は、パーツ通りの、とある雑居ビルの地下深く秘密裡に作られた偽装ゲーセンの中。
「"スチノ化学"を襲撃した異次元昆虫は、大量破壊兵器を作れる量の化学物質を入手したと思われます」
「兵器とは別の用途では?奴等のDNAを分析したトコロ、炭素ベースの人間と異なり塩素ベースでした」
「うーん。襲われた"スチノ化学"には塩素系殺虫剤(DDT)も保管されてたわね?」
「兵器製造以外の目的もあるのかな」
「…食料だわ」
「なるほど!異次元の大気条件から考えて、食料に最も近い物質かもしれません」
「加えて、政権が禁止し廃棄処分にしたから、奴等は飢えているのカモ」
「では、お腹が空いてるホームレスに御馳走してあげましょう」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
人影も車影も無い真夜中の中央通り。
先頭がタンクローリーの車列が疾走。
「トラップ1より全車。万世橋を通過。いよいよアキバに入る。現時点で敵の兆候は無し」
「了解。御馳走に食いつくと良いがな」
「優れた嗅覚で、もう臭いに気づいているハズょ」
「ならソロソロだな。御成街道架道橋を通過、警戒を厳重にしろ!全周警備!」
次の瞬間、神田明神通りから黒いSUVが飛び出しタンクローリーを派手に銃撃しながら並走w
「標的が現れた!トラップ1は襲撃されている!撃ち返せ!」
後続の護衛車の窓から"ジャドウ"メンバーが乗り出し黒いSUVに自動小銃を乱射スル!
ところが、弾雨をモノともせズSUVから昆虫人間が飛び出しタンクローリーに張り付くw
蜘蛛のような身軽さで運転席に取り付きドライバーを射殺、さらに助手席の人物を拉致←
素早くSUVに戻りロケットランチャーでローリーと護衛車を次々と狙い撃ち爆発させる!
たちまち真夜中の中央通りは炎上するローリーと護衛車の残骸が散乱する修羅場と化す。
負傷した"ジャドウ"メンバーが折れた脚を必死に引きずりながら、無線機に絶叫スル。
「作戦は失敗!昆虫どもは逃走!司令官が、エリザ司令官が拉致された!」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ココは"悪"のアジト。
「"ヲタッカーズ"は?」
「姿を現さなかった。この二本足の司令官で満足してくれ、女王」
「ならぬ。余は"ヲタッカーズ"のミユリを生け捕りにしたかったのだ」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「テリィたんですか?"ジャドウ"司令官代理のレイカ大佐です。問題発生。エリザ司令官が拉致されました」
「ええっ?また、僕達に内緒で勝手な作戦を…"ヲタッカーズ"を信用してくれてたら、こんなコトにはナラナイのに」
「その代わり、拉致されてたのが"ヲタッカーズ"だったカモしれません。目下、衛星軌道にいる"ジャドウ"のコンピュータ衛星とスパイドローンを総動員してアキバ中を捜索中です」
「ROG。"ヲタッカーズ"も捜索に協力スル」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
再び"悪"のアジト。
「エリザ司令官。汝は出血しておる。二本足とは、虚弱なモノだな。成人まで育つのが不思議であるぞ」
「ルゥラ」
「な、何故その名を?」
「ホログラムを見た。メッセージも聞いた。貴女は、ミユリさんのお母さんと姉妹ょね?」
「双子である。双子は絆を意味し、子供の頃はよくルゥラと親を混乱させたモノだ」
「双子なの?」
「司令官、汝の名は?」
「認識番号007」
「汝は勇敢だ。大方の二本足よりも」
「私にアキバのヲタクを殺す理由は無いわ」
「汝は、余のコトをそう思っているのか?余の目的は、二本足を殺すコトだと?大間違いである。余は、二本足を救いに来たのだ」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「テリィたんですか?レイカ大佐です。ウチのコンピュータ衛星がエリザ司令官を見つけました!78丁目角の廃倉庫です。既に"ジャドウ"の緊急展開部隊が急行中!」
「"ヲタッカーズ"テリィだ!既に現場で戦闘中!急げ!パーティは始まってる!」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「ミユリ、逃げて!罠よっ!」
廃倉庫の隅で縛られてるエリザ司令官に駆け寄るムーンライトセレナーダーが吹っ飛ぶ!
物陰から電光弾を放ったのはリシィ女王。スーパーヒロインvsエジプト女王、再び激闘w
「ミユリ。汝は、余の血縁である。しかし、汝は成長した。そして…美しくなった」
「貴女は、死んだハズょ。"リアルの裂け目"が閉じて故郷は滅んだの。みんな死んだ。死んだのょリシィ叔母さん」
「故郷が滅びし時、余は、投獄されていた。真実を語ったばかりに、追放され、異次元に幽閉されていたのだ。ルゥラから聞いておらぬか?」
「良くアル話ね。で、リシィ叔母さんは何をしたの?」
「偉大なコトである。我が故郷を全力で救おうとしたのだ」
「超古代の昔、私は貴女の膝の上で良く星の名前を教えてもらったわ」
「余は、再び汝に星の名を告げるであろう。しかし、そのためにも汝は二本足に協力してはならぬ。そして、余に楯突くなかれ。我が故郷は滅びた。でも、この星は救おうぞ」
「不思議ね。私も叔母さんと同じコトを考えていたのに」
ミユリのパンチが虚しく空を切る。
お互いの両目から迸る光線が激突w
「こちらトラップリーダー!緊急展開部隊、突入せよ!"ジャドウ"司令部、応答せよ」
「司令官、ご無事で」
「コンピュータ衛星"シドレ"にコマンド"ゲルドルバ照準"!構わないから衛星レーザーでココを焼き払って!コレは命令よっ!」
「"ゲルドルバ照準"了解。衛星レーザー、カウントダウン開始。エリザ司令官、どうぞ御無事で。神田明神の御加護あれ」
突入部隊のトーキーで司令部に連絡するエリザの背後から人型の異次元昆虫が忍び寄るw
「動くな!」
エリザの喉元に緑色に輝くナイフw
「悪く思うな。全ての種に生存欲がアル」
「ソレは一緒よっ!特に女は欲の塊よっ!」
「えっ?」
次の瞬間、緑色に輝くナイフは昆虫人間の腹に刺さり彼はポカンと口を開け崩れ落ちる。
その頭上では、互いに両目から光線をぶつけ合うヒロインと女王が屋内で空中戦の最中w
「ミユリ!血縁を無視スルから汝は…報いを受けよっ!」
「叔母さん、目を覚まして!」
「死ぬが良い。後悔役に立たズ」
「先に…では?」
ケンカキックを決め壁に激突し床にズリ落ちたミユリを組み伏せ女王がマウントをとる。
暴れるミユリを制して、セパレート型のコスチュームでむき出しの腹にクローを決めるw
「ギャアアアッ!」
胃袋を鷲掴みにされ全身から汗を噴いて身悶えるミユリ。
馬乗りになった女王がさらに指に力を込めて絶叫を奪う。
「敵が格上の時は相手の力を利用して」
失神寸前のミユリの脳裏で遠く囁く声がスル。
次の瞬間、無様に歪んだミユリのおヘソから…
第4章 光のビッグバンセオリー
その時、アキバから天空、いや、大宇宙の彼方を目掛け光が打ち出される。
10のマイナス35乗秒続いた光は、全宇宙を照らすがソレに気づく者は無い。
"光のビッグバン"の再来だ!
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
作戦を終えた"ジャドウ"司令部。
「あ!ミユリさん、もう復活してる!マウントとられて失神寸前だったのに。私も、スーパーヒロインの治癒力が欲しいわ」
「エリザ司令官も昆虫人間を1人で倒したじゃない」
「だって、ミユリさんは"光のビッグバン"の発射準備?で忙しそうだったから。素晴らしい必殺兵器をお持ちなのね。リシィ女王も真っ黒焦げになって"リアルの裂け目"から命からがら迯げて逝ったわ。今回は、人類の大勝利ね」
「でも、せっかくの必殺兵器なのに、おヘソから発射って何だかちょっち恥ずかしいンですけど」
「何で?世界中で色んなヒロインが光線やら何やら発射スルけど、おヘソから撃つのはミユリさんだけょ(だから何だw)…でも、きっと複雑な心境ょね。まさか、古代火星の女王が叔母さんだなんて…」
「私の家族は、ココにいるみんな。叔母は、絶対に止めなくちゃ。今のままじゃダメ。私に戦い方を教えて。私を鍛えて」
「強くしてあげるわょ。私を信じて」
「ズッと貴女を信じてる」
「秋葉原に来た時、貴女は何もかも失っていた。でも、貴女の目は、決して光を失っていなかった。貴女には、スーパーヒロインの心があるって思うの」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
さて、最後に残る問題は…スズキくんだw
「だって離婚されちゃうンだろ?ムーンライトセレナーダーにインタビューを受けるように、僕から頼んでみようか?」
「うーん。でも、テリィたん。ソレじゃ、僕自身は相変わらズ何もしてない。昼から溜まり場にタムロしてアキバの底に溜まってた"沈殿系"のプーのママだ」
「そ、そーなの?うーん。でも、上手く逝えないけど、誰かに助けてもらうコトって恥じゃ無い。むしろ、名誉なコトなんじゃナイかな?」
「え?そ、そりゃ初耳だなw発想の転換?」
「時にヲタクは他人の助けを受け入れるべきだ」
「本当に良いのか?」
「良いとも。誰かを助けたいと思う者がいる限り」
「僕のために、か?」
「違う。僕達のために、だ」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「スズキくん!"ヲタッカーズ"とのインタビューはセット出来たの?未だ出来てナイのなら、新しい婚活アプリをダウンロードしちゃうわよっ!」
「おいおい。インタビューは、もう始まってルンだ。窓の外を見ろ」
「どーゆーコト?ココは3階よ?」
サリアさんが振り向くと…窓の外には、ロケット兵装備のマタハと妖精のエアリに両側から支えられたミユリさんが窓をノックしてるw
「はじめまして。"ヲタッカーズ"ょ。私達とお話ししたいのは…貴女?」
おしまい
今回は海外ドラマでよくモチーフになる"スーパーヒロインとメディア"を軸に据え、ヒロイン独占インタビューを狙うプロデューサー、その夫のフリーのプロデューサー、秋葉原征服に乗り出す古代火星の女王、その手下の昆虫人間などが登場しました。
海外ドラマで見かけるNYの都市風景を、パンデミック第3波に洗われる秋葉原に当てハメ展開しています。
秋葉原を訪れる全ての人類が幸せになりますように。