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大人の事情

残虐な描写があります苦手な方はご注意下さい。

エイシュリット王太子殿下の『運命の令嬢』その彼女の私への思いは複雑だと思う。


想い人の本妻(仮)の私が生きている限りは、公の場で殿下の隣に立つことが出来ない。


私の事は早くどこかに逝ってしまえ!とか願ってるのかも?ああ、暗いこと考えちゃうな…でも殿下が好きになる子だもんね。きっと健気で優しい子に違いない。私が毒蜘蛛令嬢からしっかり守ってあげなくちゃ。


「はい、解答は全問正解ですね」


物思いに耽っていた私は所謂、世界情勢の授業の先生の声にハッとして意識を浮上させた。


「明日はガンドレア共和国についてお勉強しましょう」


「はい、ありがとうございました」


先生に礼をしてから、カリアと来客用の部屋を出た。廊下には近衛のグレビューさんとギャッデさんがいる。


そうそう、この近衛のお兄様達もまあまあアイドル顔なんだよね、オホホ。


このお2人、実は私がクラバッハに来た初日に起こした、地下牢籠城計画の時に立ち合っていた方々で、今だに私が隙あらば地下牢に逃げ込むんじゃないかと疑っているのか、私の動向をめっちゃ警戒している。


「この後はどちらに?」


「部屋に戻ります」


「……」


凄い目で私を見てくるグレビューさん。ほら?また疑ってる!?


「グレビュー何ですか…その目は?本当に真っ直ぐ帰りますよ?今日は頼んでいた食品が届く日なんですもの」


「お、例の『サンチョク』で頼んでいた食品ですね。僕、モッテラって食べたこと無いなぁ」


ギャッデさんが楽しそうに笑っている。18才のギャッデさんは可愛いな~後で白身フライサンドをあげよう。


そうなんだよね、エイシュリット王太子殿下もそうなんだけど、フォーデ様やアリウム様…聞けば城にいる今は高位貴族位の方々も元は子爵や男爵…実家は商人です~みたいな方が多いんだよね。


だから王宮に仕えているというより仕事していますっていう感じがする。皆でクラバッハ王国を興したっていう同志?みたいな雰囲気を感じるんだよね。


私みたいな元異世界人じゃなきゃ、この距離感は戸惑うと思うわ。一致団結、エイエイオー!みたいなノリ…ね。


その一致団結、エイエイオー!のリズムを崩しているのがバウンテラス公爵家とその一派らしい。どこにでもいるよね、輪を乱す奴って…。


「エイシュリット殿下は?」


「辺境の方で島族が暴れているようで、その鎮圧に…」


グレビューさんの説明に…またかと思った私。何故ならばエイシュリット殿下は見た目きらびやかなアイドルなのに、中身はワイルドだったみたいでほぼ毎日と言っていいほど、魔獣討伐やら島族と呼ばれる辺境に隣接する森の向こうに住む、小さな島々の異族との戦闘や小競り合いの鎮圧に出陣している。


それに暇があれば国の不穏分子の炙り出し…ようは軍の下っ端が行う警邏も王太子殿下が街に出て巡回しちゃってる有り様なのだ。


王太子殿下なんだよ?町の巡回?お巡りさんの仕事だよ?その合間に王太子の政務もこなしているし、軍の事務仕事もしているみたいだし…一体いつ寝てるんだ!?って言うくらいに働いてる。


「大変ですけど、エイシュリット殿下は大層な戦力になりますしね。」


カリアが溜め息と共にそう告げるけど、確かにそれには反論は出来ない。大柄な金のアイドル様は魔力量もかなり多いし、剣技の腕前も強いらしい。ぶっちゃけ大層需要のある王子様なのだ。


ガンデンタッテ(うち)のお兄様2人も結構荒っぽいけど、それの上を行くワイルドだろ?だった。


そりゃ高貴で格式の高いらしい毒蜘蛛令嬢とは気が合わないのは分かるわ。


それはそうと殿下さぁ


こんなに忙しいのに『運命の相手』とはデートとかどうしているんだろ?今カノに会う時間あるの?


私もさ、国王妃…つまり義理ママと一緒にお茶会に出るようになったんだけど…参加しているどの子が今カノなんだろう?と観察はしているんだけどよく分からないんだよね。


貴族のご令嬢と会う機会も増えたし、それっぽい女子に目を光らせてはいるだけどね。逆に令嬢の方から匂わせをしてくる子もいるんだけど、どうもこれが今カノだ!というのがピンとこない…


エイシュリット王太子殿下の好みかな~というTHE女の子みたいな、きゃわゆい令嬢にまだ会ってないんだよ。もしかして私の思う『キャワワ』とエイシュリット殿下の思う『可愛い』にズレがあるのかもしれないけど、うーむ。


皆で部屋まで戻ると、部屋の前に…別の近衛のお兄様方の姿が…?


「エミリア妃がお待ちです」


ひょえ?義理ママがぁ?


王太子妃の部屋では国王妃エミリア様と、お孫さんのキューイリット君3才とイスラミンテちゃん8ヶ月の明るい笑い声が響いていた。


「あっアーリー!」


キュー君に飛び付かれてよろめきながらも、義理ママに淑女の礼をする。


「待たせてもらってたわ〜ごめんなさい、ミシュアリナがお茶会に出るから子守り頼まれてたから〜」


いやいや、分かってるよ。嫁いだ娘(長女)は実家にでかい態度で威圧的なのは異世界共通だからさ。エミーママが断れないのも察しているよ。


「アーリー、フォンダショコアちょーだい」


「あら?キューイリット様、こんな時間に甘い物を食べては夕食に差し支えませんか?」


そう、キュー君はフォンダンショコラを食べてから、あのトロッとしたチョコの味にハマったらしく会う度にお菓子をせがまれる。


「今日はフォンダンショコラ作っていないんですよぉ~ショコラタルトならあるんですがぁ?」


とキュー君のちびっ子アイドル顔を覗き込んでいると、キュー君はパアァ…と笑顔になった。


「アーリー食べる食べる!」


「私も頂こうかな?」


おっと、エイシュリット王太子殿下がそう言って部屋に入って来た。島族との小競り合いは鎮圧しましたか?んん…さりげなく殿下の魔流を視る…左肩辺りがおかしい。


「殿下、左肩を負傷されていますね?」


「っ…ばれたか」


エイシュリット殿下の後ろに居たアリウム様とローブを羽織っているから魔術師団の方かな?が、息を飲まれた。私は殿下に近づくと、左肩に触れた。


「打撲…ですか。はい、治りました」


「お見事」


キラキラアイドルに褒められましたぞ!ウフフ…


「アイリエッタ王女殿下っ!お噂通り素晴らしい治療術ですね!」


殿下の後ろに居た魔術師のおじさん?かなが、殿下を押し退けて私に近付いてきて…殿下に押し戻されている。


「アイリエッタに触るな!」


また呼び捨てにして…さては殿下は、私がいない所で私の事を呼び捨てにしていますね?


「エイシュリット…話が進まないだろう」


後ろでアリウム様がボソッと呟いている。話?何かあるのかな?


私はショコラタルトをキュー君にお土産で渡すと帰って行く義理ママ&孫達を見送った。


さて…話とはなんぞや?殿下は上座、私は下座に座ってお話を待つ。最初に口を開いたのは殿下だった。


「まず、最初に断っておくことがある。私はガンデンタッテ王国への侵攻に出軍したことは無い。アリウムもだ。それにそこの、魔術師団のエグードもだ」


「あ、初めましてアイリエッタ王女殿下、魔術師団の副師団長のエグード=ルメルと申します」


何だ?何だ?私がキョトンとしている間に話しが進んでいく。


「ガンデンタッテ王国に向けて、クラバッハが戦争を仕掛けている…というのは勿論知っているよな?」


私が頷くとエイシュリット殿下はエグード副師団長をチラリと見た。


「厳密に言うと…クラバッハ軍が…ではなくバウンテラス公爵家の私軍とその一派の侵略行為だ」


「んええぇ!?」


シグン?私の軍ということだよね?公爵家とその仲間達が勝手にガンデンタッテ王国に喧嘩を吹っかけていたってことなの?


「最初クラバッハ側もガンデンタッテ王国に侵攻というよりは…どこかのならず者が国境沿いでガンデンタッテと揉めているのか…という程度の認識だったらしい。そしてうちの部隊が鎮圧の為に国境付近に行ってみると…クラバッハ軍の国旗を掲げた者達が暴れていたそうだ。急いで父上と祖父が国境に向かうとそのクラバッハ軍を名乗る軍隊は散開して国境付近にはおらず…後ほど、ガンデンタッテ王国に正式に謝罪と現状の説明に父上達が赴いたのが…約30年前だ。それから数年後また自称クラバッハ軍がガンデンタッテ王国に侵攻しようとしたらしい。その時に父上達は自称クラバッハ軍を捕縛出来たそうだ。それが…バウンテラス公爵家の私軍とそれに追随する貴族の雇った傭兵だったという訳だ」


「そんな勝手な事…何故バウンテラス公爵は行っているのですか?」


自軍を騙り、他国に刃を向ける…それってさクラバッハのこと舐めてるってことじゃない?


エイシュリット殿下は私に頷いてから再び話し始めた。


「彼らの主張する大義名分はこうだ。『我々が正規の王国軍だ。侵攻して何がいけないのだ』とな。あくまでもバウンテラス公爵はご自身がダバッテイン帝国最後の生き残り…全てを統べる者、という認識らしかった」


「そ…そんなクラバッハ王家に不敬ですよっ!」


「アイリエッタ王女殿下、私達は王族と言えども…まだ100年にも満たない血族なのだよ。そこに神秘性もなければ歴史などはまだ浅い…。内乱で勝利した成り上がり者、そう見る者達もまだまだ多いんだよ」


やっぱりバウンテラス公爵家はクラバッハ王族を舐めてるんだ、馬鹿にしてるんだ…


確かに歴史は浅い、でもこの王宮に住んでみて分かったことがある。確かにエイシュリット王太子殿下は部下や臣下にとても気安い。そして部下達も殿下達に気安い。それは王族の皆を馬鹿にしてる訳ではなくて、畏怖の対象じゃなく、尊敬と絶対的な信頼感を持って接しているからだって分かる。


怖がらせ威圧するだけが王族じゃない。皆から親しまれ愛されるのも王族の在り方だと私は思う。


1人で王様になるわけじゃない。皆と手を繋いで王様になったっていいじゃないかっ!


「兎に角、ならず者は自分の内側に居たというとんでもない事態に、当時祖父と父上は顔面蒼白になったと聞いている。ガンデンタッテ王国に恥ずかしながらも訳を話し、ひたすらに謝罪を繰り返したそうだ。ガンデンタッテ王国側もここでやっと内戦が治まったのに、また旧帝国軍との争いが激化するのは得策ではないとの見解をしめされ、合同軍と言う形でバウンテラス公爵軍が決起する度に鎮圧して…今に至るという訳だ。表向きはクラバッハの侵攻ということにしているがな。ガンデンタッテ王国側は了承済みなんだ」


知らなかった…てっきりクラバッハの軍がうちにちょっかいをかけてきているのだとばかりだと思っていた。


「これでもな、時間はかかったが…バウンテラス公爵の軍事力や経済力を随分と削り落とす事が出来たんだ。だから最近では暴動に毛の生えたぐらいの戦力しか振るうことしか出来ないようになっていたんだ。それにな、10年前くらいからガンデンタッテに凄い魔術師が入団されたみたいで、国境付近で戦闘が起こってもその方が大規模な魔物理防御障壁を張ってくれるので人的被害が最小限に抑えられるようになったんだ」


ギクッとして肩が上がった。10年前…凄い術師、大規模魔物理防御障壁…それ私のことじゃん。


道理でおかしいと思ってたんだよ。若干6才の王女殿下の私をちょっと障壁を張るのが上手いぐらいで、他国との戦闘中の国境に連れて行くなんてさ。要はちょぴっと危険な軍事演習みたいなもんだったんだ。


これって大人の事情、国と国の暗黙の了解…ってやつだよね?バウンテラス公爵家が暴れているのを、二国間でヤバくならない程度に監視して、時々ガス抜きさせている…


「最近はバウンテラス公爵軍もならず者の集まりと化していて、国境付近の民家に押し入ろうとしたり強奪をしたりそちらの取り締まりの方が忙しいくらいだった」


アリウム様の話に俯いた。なるほどなぁ…そういうことか。ガンデンタッテも全て承知の上の国境演習…と言ってしまおう、それに私は付き合っていたのか。少しばかり怪我人や亡くなる方がいるのは、そのならず者が暴れたせいなんだね。大人の事情とはいえ、なんて酷い。


「アイリエッタ王女殿下…もう国境のいざこざは起こさせない。バウンテラス公爵家を利があるからと存続させていたが…限界だ。ガンデンタッテ王国とも話し合いを重ねているが、バウンテラス公爵家の爵位返上、領地没収を検討している。今までは格式ある公爵家だと大目に見てきたし…クラバッハの私達は簒奪した負い目もあってバウンテラス公爵家の所業に及び腰だったのも確かだ」


及び腰って、様子見し過ぎだよ。何年ほったらかしにしてんのさ。思わずエイシュリット殿下をじっとりとした目で見てしまう。


「しかし…どこかダバッテイン帝国の高位貴族に畏怖を感じてしまうのですよ、私達。長きに渡る圧政のせいでしょうかね…骨身に沁みているのでしょうか、見ただけで萎縮してしまうと私の父なんかは良く言ってますね」


エグード副師団長はしみじみとそう話されているが…怖い事だな、とつくづく思う。少し勉強した程度だけど、ダバッテイン帝国はそれは恐ろしい恐怖政治を布いていたと聞いている。


見目麗しい男女は全て後宮に囚われて…王族の玩具にされる。目が気に入らない…と言われ目を抉られ、髪の色が気に入らないと頭皮を剥がされ…少しでも叛意を見せれば一族郎党、裸にされて町中で(はりつけ)にされて見世物にされる。


これが日常茶飯事だったというのだ。とんでもない帝国だ…滅んで当たり前だ。エイシュリット殿下の曾お爺ちゃんは英雄だよ。よくやってくれたよ。簒奪者だとかさっき言ってたけど、全然違うよ。ダバッテイン帝国民を救ってくれた人だよ。


「ただ、バウンテラス公爵家と事を起こすと内戦状態に陥るのは目に見えているんだ…国民を危険に晒さないで何とか出来ないかな~と…今ね、そのガンデンタッテ王国の防御の魔術師をお貸し頂けないか交渉しているんだ。小競り合いが最小限に抑えられるはずだしね。アイリエッタ王女殿下はその魔術師の事知らないか?」


再び、ギクッとなった。お貸し頂けるも知らないも何も…その術師は私です。ここにおりまっせ。


いやこの空間でそれ私でーす!と言える豪胆な性格はしていない。完全に打ち明けるタイミングを失ってしまったよ。


何となく殿下達の話を逸らしつつ、王太子妃の部屋の中に置いてある『コハイハコ』に届いている『サンチョク』産地直送海の幸セットを取り出した。お金は申込用紙と一緒にいれておいたので納品書と領収書が同封されてある。


あ、何か手紙が入っている。ぎゃあぁ!ナジャガルの元皇后妃からだ!


手紙を開くと、見事な日本語の楷書でクラバッハでの生活で不便はないか?ハマチに似た魚が獲れたので、刺身にして入れて置いた…沢庵も漬けたから食べなさい…おにぎりも作っておいたから後で食べなさい…等々私を気遣う文面が書かれていた。


まるで田舎のおばあちゃんからの手紙みたいだった。実際元皇后妃はおばあちゃまのお年だと思うけど…。私が元異世界人であることをお知らせしようと、ユタカンテ商会を経由してガンデンタッテ王国の印で封蠟した手紙に書いて、元妃にお渡しして頂けるようにお願いしておいたのだ。それからは異界の迷い子様…この場合はおばあちゃま達というのかな?が私にお手紙をくれるようになった。


今ではメル友ならぬ、アイノゲタバコ友達…略してアイ友になった。


コハイハコからお刺身盛り合わせを出してレイゾウハコに入れていると、そのコハイハコの横に置いてあるアイノゲタバコの魔石が点滅をしているの見えた。アイノゲタバコ…下駄箱っぽい箱の中を覗くと、四角い箱が入っている。桜の絵柄のメッセージカードが箱の上に乗っているので見ると…


『桜餅だよ~食べてね 未来』


と日本語で書かれていた。すげぇ…本当に桜餅だよ。しかも私にはわかんねぇ高級っぽい和菓子屋さんの名前が箱に書いてある。きっとお高いんだろう。そう…私の知っている異界の迷い子のおばあちゃま達は皆、異世界でもセレブ、こっちの世界でもセレブ(元皇后妃、公爵家夫人など)だった。


ナジャガルに遊びに来いっ…と呼びつけられてはいるんだけど、嫁入り前なので~と断っていた。オババの圧が凄そうなんだもん。最近じゃあなたと会える前にお迎えが来そうっ~とかシャレにならん脅し文句も入れてくるようになった。


どこの世界でもババアは怖いわ…


「お、アイリエッタのその手に持ってるの何?」


どうやらエグード副師団長とアリウム様は退出されたようで、エイシュリット殿下だけが部屋に残っていた。私は油断しておにぎりと桜餅を両手に持っていた…


う~ん、別に隠すことでもないんだよね。このナジャガル皇国の葵妃も堂々と日本人の鷹宮 葵です、と名乗っているしね。そうそう産直のお店の名前のタカミヤショーテンは日本名でそのまんまの鷹宮商店らしい。


何でも旦那様の元国王陛下が勝手に店名を登録してしまったとか?『スナック葵』よりマシだけど…と手紙で愚痴っていたね。


私もエイシュリット殿下に元異世界人ですと伝えようかな?


でも何だか言い難い。だってね、私ってユタカンテ商会の日本人の方とか、葵元皇后妃とか未来様みたいに元々すごい人でもないんだよ?聞けばおねーさま達は大手企業で働いていて皆さん元々手に職のある方々だったみたいだ。


私…只の高校生だったもんね…出せる技もすごい技術力もないし、変に期待されたりしても辛いしな。


私はおにぎりと桜餅をエイシュリット殿下の座っているソファの前のテーブルに置いた。


「異世界の食べ物です。こちらはお菓子で、こちらは主食のオコメというものです。中に具材が入っています」


「へえ~流石、異世界人だな。よく知っているな」


「………へ?」


「…え?」


今何て言った?今何て言ったよ?今何を言ったあぁぁ!?


「え?だって…皆知っているけど?」


どういうことだよーーー!?


理由は簡単だった。ネタバレ理由はこちらから書いた手紙だった。ユタカンテ商会を経由してナジャガル皇国の日本人に渡してくれと頼んだ手紙は当然ナジャガル皇国の日本人、葵元皇后妃に届けられるがその前に宛名を確かめられる。


私は馬鹿正直に日本語で書いていたのだ。当然と言えば当然だった。このガンデンタッテ王国の王女殿下…日本語で書いてない?となったわけだ。


葵妃が…おたくの娘さん日本人じゃね?→ガンデンタッテ王国の父に確認→父が家族にバラす→クラバッハにも伝える→殿下に伝わる。


ガンデンタッテとクラバッハの大人達は…


なんかアイリエッタ隠してるみてーだから知らないフリしておこっか?


こういう感じだったらしい…イヤ知らないの私だけって…自分の迂闊さにムカつくけど…うぉぉぉ!


「まあいいじゃないか?何か珍しいモノとか面白い話を聞かせてよ?ユタカンテ商会の魔道具、アイリエッタ王女殿下は使い方とか熟知しているんだろう?」


エイシュリット王太子殿下って動じないね。いやさ、だからこその王太子殿下なんだけど…


「そうそう~異界の迷い子様といえば、勇者の剣だろ?あの由緒正しいお家柄のバウンテラス公爵家に勇者の剣をチラつかせてもらったら公爵達、無条件降伏にしてくれるんじゃないかな~とか思って、勇者様来てください!って頼んだんだよ」


おおっ!勇者!?あの伝説になっているあの勇者!是非来て欲しいよね。


「ところがさ~皆様、腰が痛いとか足が痛いとか…寝たきりです…みたいな返事が来てさ。何だか勇者も高齢化しているみたいで、ご老人に無理はさせられないと諦めた…」


「……」


勇者が高齢化…。辛ぇ、辛ぇよ。腰が痛いんだ。足が痛いんだ。この世界にはグルコサミン無いからなぁ。

イシュのおバカ成分が欠乏しております。次回を待て!

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