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籠城開始

ランキングに載るほどのブックマークの数に驚いております。

ありがとうございます。

という訳で、快適牢屋生活への万全の態勢を整えてクラバッハに到着した私。


勿論、捕虜になるのは私一人でいい…と供を全て断り単身、クラバッハに乗り込んだ。自称ガンデンタッテの守護神を自負する私なので、取り敢えずおひとり様でもヌッ殺される心配はない!と、お兄様達に言うと渋々だが了承してくれた。


さて、城に通され…国王陛下ご夫妻にお会いしてこうしてエイシュリット王太子殿下とご対面を果たし、王太子殿下のアイドル顔を見ながらニヤニヤしながら笑っていたけど…その時に気が付いた。


あれ?どういうこと?この王太子殿下…ガンデンタッテの私の部屋の前で会ったあの手紙を持って来た使者の人じゃない?失礼のない程度に扇子越しに王太子殿下のアイドル顔と魔質を盗み見る。


ああやっぱりあの時の人だ。…と言うことは…ああ!そうか~そうだよ。


王太子殿下のとんでもない秘密を書いた手紙だもの、第三者に託したりはしないものね。きっと王太子殿下自ら、私に突きつけたかったんだよね?


『お前とは絶対夫婦になるつもりはねーから』


これだ、うん。間違いない。でもさ~何でわざわざ言いに来るかな…心抉られるわ、マジ辛っ。


それなのにさ、今めっちゃキラキラした微笑みで私を見ながら手を差し出しているんだよ。どういうつもりなんだろう?


「姫、お会い出来るのを本当に心待ちにしておりました」


エイシュリット王太子殿下の差し出した手を取る振りをして少し彼に近づいた。


「どうして、わざわざ私に王太子殿下が手紙を持って来られたのですか?好きな人がいらっしゃるなら、今この時にご本人の口から直接お聞きしたかった」 


私は声の震えを何とか抑えながら王太子殿下にそう伝えると、それを聞いた王太子殿下は顔色を変えられた。


「…っ、疲れましたので退席させて頂いても宜しいでしょうか?」


泣きそうになる気持ちを何とか奮い立たせるとエイシュリット王太子殿下の綺麗な顔を見て微笑んで見せた。


「…って…ちょ…」


手を伸ばそうとしている王太子殿下に背を向けて、私の後ろに控えていたメイドに声をかけた。


「お部屋に案内して下さいますか?」


私と同じ年ぐらいのメイドは、足早に移動を始めたので、私も急いでその後を付いて行った。


メイドの子は暫く廊下を移動すると、地下へと階段を降り始めた。


ホーーラきたよ!やっぱりだ!階段から…ほらっ立派な?地下牢きたよ!


「こちらでございます」


じめーーっとした地下牢の一番奥の格子扉の前でメイドは立ち止まった。


フフフ…予定どおーーーり!捕虜と言えばやっぱり地下牢だよね。


「ご苦労様」


「………ぇ?」


私は鉄格子を押して中に入ると、素早く格子を閉めた。肩に掛けていた『レデスヨジゲンポッケ』の中からピンク色の『パーテ』を素早く取り出して、鉄格子と牢の間に立てかけた。


パーテ…とはユタカンテ商会から発売されている、部屋の間仕切り、パーティションだ。ただの板だけどあると無いとでは大違いだ。丸見え地下牢のプライベート対策もこれでOKでしょ?


「え?あ…ちょっと…嘘っ!待ってくだ……」


牢の外でメイドの子が何かを叫びかけたけど、すぐに消音魔法の術をかけて音を遮断した。


さすがに罵倒されたり、怒鳴られたら怖いもんね。ここからは時間との勝負だ。急いで籠城の準備をしないと踏み込まれて、捕まってしまう!


続いて消臭魔法と魔物理防御障壁を描いた魔法陣をパーテの側面に張り付ける。障壁が展開された。すえた牢屋の匂いが一掃された。


「よし、まずは第一段階ね」


牢の中は予想通りの小汚さだ。広さは6畳よりは広い8畳くらいかな。勿論、家具類はない。足元は冷え冷えの石の床。石のベッドもどきと、洋式便座…何か汚れてドロドロ…しかも汚物で汚れているっ!やめろぉぉ!


「おえええっ!」


トイレ周りは視覚的にもヤバイ。急いで部屋全体に浄化魔法を使う。そして便座の周りは仕切りも無い。牢屋に入ったらトイレで用を足しているの丸見えじゃない!有り得ねぇ…。


便器周りにもパーテをたて掛ける。よしっ!


『レデスヨジゲンポッケ』の中から、ユタカンテ商会カステカート店で手に入れた、最新式の日本人の大発明品をよっこいせーと取り出した。


「しかしこのショルダー相っ変わらず規格外だなぁ〜こんな大きな家電入っちゃうなんて…あ、家電じゃなくて魔電かな?」


私は取り出したブツの黒い包みを剥がし、白い箱を開けた。クリーム色の輝く滑らかボディ…思わず頬ずりしたくなる。


そしてソレを…便器の上に置いた。


「はぁぁ〜やっぱりこれが無いとねぇ!温水便座っ!お前の誕生をどれほど心待ちにしていたか!ユタカンテ万歳!ユタカンテ最高!ユタカンテ尊い!」


そうなんだよね〜この世界って魔法があって一見、便利に見える反面…痒いところに手の届くグッズが全然無いんだよね。


便利グッズに慣れ親しんでいた元日本人として耐えられない。冷たい便座に座る時にいちいち魔法を使わないといけない。ついうっかり忘れて、座った時の冷たさの衝撃ったら、無いわ〜


しかもこの、おしり洗浄機能!自分の指をお尻に向けて水魔法&温めを使ってチマチマ洗うのは、何だか色々と指が当たりそうでイヤだったのだ。


「お尻ホッコリ!よく私の元に来てくれたねぇ!」


勿論、この世界には電気は無いので、便座の横の操作パネルのスイッチには、水魔法と温暖魔法と風魔法に対応した魔石が設置されている。これが電力代わりで魔術が発動して温水洗浄便座が動くわけだ。普通は魔石の中の充魔池?が切れたら魔石を交換しなきゃいけないのだけど、フフ…私、魔力保有値めっちゃ高いんだよね。


自家発魔が出来るのだ!洗浄機能付きの温水便座を使いたい放題だ!


「存分にお尻を洗ってやるぞ」


この温水便座、先月発売されたばかりの新発売なんだよね。しかもまだユタカンテのカステカート店での店頭販売のみ。レッティエルお兄様達と一緒にカステカートに行けて助かったわ〜めっちゃ高いとは聞いていたけど、車が買えるくらいの値段だったのにはビビったわ。


さて、便座の座り心地は後程確認するとして、ドラム式センタクハコ(洗濯機)、魔力コンロ、食器棚、レイゾウハコ(冷蔵庫)をポッケから出して牢屋に配置していく。


こういう重い物を持つ時は魔法があって便利だ。重力無効化魔法を駆使して洗濯機を動かして、部屋(牢屋内)の導線を確認する。


「うん…こんな感じかな?」


何せ8畳くらいしかないので、家具類がぎゅうぎゅう詰めだけど致し方ない。


「気に入らなければまた配置変えればいいしね」


そして今度は石の床とベッドに目を向けた。私は履いていたローパンプスをぬいで、部屋の隅に置いて、ポッケの中からシャララン…とラグを取り出した。


「イエーイ!」


6畳くらいの牢屋内の広さを予想して部屋全体にラグを敷くつもりだったけど、この牢はもうちょっと広いし足りないので仕方ないから自分が座る所だけに敷いておけばいいよね。ラグを部屋(牢屋)の真ん中に敷いてから素足でラグの上に立つ。


「はぁ〜これこれ!日本人はやっぱ靴脱ぎ生活だよ!」


この世界で何がストレス溜まるって色々あるけど、裸足文化だよね!早速、ラグの上にゴロンと寝転がる。ああ…堪らん。


「畳に寝転がりたいな…」


前世(まえ)は気にしたことなかったけど、畳の匂いがこんなに懐かしいなんて。


おばあちゃん…おじいちゃん…ヤバい、泣きそうだ…暫くラグの上で膝を抱えて体育座りをしていた。この座り方も懐かし過ぎてヤバい…色々思い出してしまう。


やっぱり心細いのかな…そりゃそうか、いきなりガンデンタッテから嫁に来てすぐに牢屋送り…でもでも


「ちくしょー元異世界人舐めんなよぉぉ!快適無敵の牢屋生活にしてみせっからな!」


泣いて叫んで少しスッキリした。


レデスヨジゲンポッケから、すでにドレス等を収納している洋服タンスを間仕切り代わりに石製のベッドの足元に壁のように配置して置いてみた。うむ、外から寝ている姿も見られるのイヤだもんね。これで目隠しも大丈夫だ。


そして石のベッドの上に持って来たマットレスを敷き、上から毛布と掛け布団をセットして枕を置いた。


「ベッドも完璧!」


ああ、いけない。更にローテーブル(作ってもらった)を出してクッション座布団もどきを敷いた。


「床も完璧!…あっいけね」


仕上げに部屋(牢屋)の隅にユタカンテ商会で買った『アイノゲタバコ』と『コハイハコ』を置く。


「さーて何を頼もうかな」


ユタカンテ商会で『アイノゲタバコ』と『コハイハコ』を買おうとしていたら、やたらとキラキラした金髪の店員のお兄様に冊子を数冊見せられた。


「これで商品見て頼んでもらうようにしています。冊子の後ろに申込用紙ついてますからね」


ドラム式洗濯機とか温水洗浄便座を買ったからそのお兄様から上客だと思われたのかカタログ?はタダで頂けた。


しかもキラキラお兄様は小さい紙を差し出してきた。


『シューヘイム=デッケルハイン ユタカンテ商会カステカート支店 支店長』


名刺だった。どう見ても名刺だった。でもこのお兄様はこっちの人だよね?だって片手でヒョイって渡してきたんだもん。名刺って両手でお辞儀しながら渡すんだよね?


知らんけど…


とりあえずお兄様の正体が気になったので、商品開発はどなたが?と聞いてみたら


「私の祖母と母と数名の異界の迷い子の方にご協力頂いてます」


だって!レッティエルお兄様達が居たからそれ以上聞けなかったけど、嬉しくなってまた絶対ユタカンテ商会に来よう、と思った。まあ基本、牢屋暮らしだし暫くは無理だけど…


という訳で無料で頂いた冊子…つまりは通販カタログを開いた。


冊子を開いて吹き出した。絵と文章…文字が大きく書いていたり、通販の紹介ページの間に広告ページがちゃっかり入っている。


これはどこから見ても大規模通販カタログ冊子だ。本の裏をひっくり返して見てまた吹き出した。冊子の裏はドレスを着用された女性の絵姿だ。モデル:ナナミ…日本名みたいだね。ダンジェンダ洋装店…。へえ〜



「ほーっナジャガル皇国って鮮魚の通販してるんだ。あれっ!?これ醤油に味噌?うそっ!うそ…これイクラの醤油漬けだ!ん…?観光案内……イザカヤ?居酒屋!?ウミナーレ!?シテルンリゾート!あははっ!」


何だ……この世界って結構日本人いるんだ。ユタカンテ商会のガンデンタッテ支店は鞄とセンタクハコとレイゾウハコくらいしか取り扱ってないから気が付かなかった…。


この通販カタログのジャパン臭…ナジャガル皇国にも日本人いるね、これ?


牢屋に入って、ぼっちになったと思ったけど…笑えることに通販で繋がってる。しかもサンチョク取扱店、タカミヤショウテンだって。


サンチョク…産地直送っ!高宮?商店だよね?酒屋かっつーの!


「よーし!ナジャガルで『サシミモリ』頼んじゃおうかな!魚一匹丸ごとは捌くの無理っぽ…だし、三枚下ろしも出来ないしね。あっ!鮭っぽい魚は切り身で売ってる!焼き鮭食べたい〜これも頼んじゃおうかな」


私はワクワクしながらカタログのページの続きをめくった。


■   □   ■  □  ■  □  ■   □


アイリエッタに嫌われた………


父上にも母上にも早く追いかけてお相手しなさい!と、怒られた。今からでもちゃんと謝ろう。


あの手紙は間違えているので気にしないで…いや、それはおかしいな。え~と実はあの後彼女と別れてさぁ!……運命の相手とか言っちゃってたのにもう別れたとか、不誠実な男と思われないかな?


私が色々と言い訳を考えながら、王太子妃の私室…私の部屋の隣に向かって歩いていると前からメイド長と今日からアイリエッタ付きになったカリアが小走りに走って来るのが見えた。


「あ…っ殿下っ大変に御座います。先ほどルイナーデがお部屋に案内したはずのアイリエッタ殿下がお部屋にいらっしゃらないのです」


「なぁ…なんだってぇ!?」


メイド長達と王太子妃の部屋に向かうと扉の前にはメイドのルイナーデと護衛のリッテガとウカノオラが居た。


「殿下!」


「話は聞いた。どう言うことだ?ルイナーデは部屋の中に入るのを確認したのだろう?」


メイドのルイナーデは憮然とした表情をしている。


「確かにお部屋までご案内しました。それで私はすぐに部屋から出てメイドの詰所に戻りました」


私は近衛のリッテガとウカノオラを見た。2人は視線を合わせた後、ウカノオラが話し出した。


「私とリッテガはルイナーデの後を追い、この部屋の前に来ました。その時にはルイナーデはすでに部屋の前におりませんでしたし、アイリエッタ殿下のお姿も室内にはありませんでした」


ん?それは…。メイド長以下皆の視線がルイナーデに向かう。


「この部屋の廊下の奥は突き当りだ。部屋から戻るにしてもルイナーデとすれ違わないのはおかしい。ルイナーデはリッテガとウカノオラと会わなかったのか?」


私がそう聞くとメイドのルイナーデは真っ青になってきた。


「ルイナーデ、正直にお話しなさい」


メイド長にそう諭されたルイナーデは唇を震わせながら


「アッ、アイリエッタ王女殿下は…ち…地下牢に入られております」


と絶叫した。


■  □  ■  □  ■  □  ■  □


「ん?」


どこかで膨大な魔力の動きがあった…。方角的には城の奥の方。この膨大な魔質は…あ、エイシュリット王太子殿下だ。


殿下、激おこみたいだ…どうしたんだろう?あっ!原因は私か!


捕まえて捕虜にするつもりが、牢屋に籠城…だもんな。しかも私の魔物理防御障壁、並みの術師じゃ破って入れないよ?


まあいいか、籠城しているからかんけーない…っと。


サンチョクの申込用紙にソーナ(醤油)の文字を書き入れて2本と数を書き入れた。あまりストックしておくのもな~一応レイゾウハコがあるけれど、元は地下牢だしカビっぽいから怖いもんね。一人牢屋で食中毒…笑えない。サシミモリは今日食べるから1個、塩鮭は…何切れにしよう…


申込用紙に記入していると私の居る地下牢の前が騒がしくなってきた。ん?エイシュリット王太子殿下が来たようだ。何だろうな~また改めて言う気なんだろうか?もうあんたに好きな人がいるのは分かったから、これ以上私のライフを削るのはヤメロ!


何か文句を言っているのかもしれない…怒鳴られたらどうしよう…怖いけど、無視をするのも捕虜としては不義理?なような気がして消音魔法を解いた。急に外の声が聞こえてきた。


「…ッタ姫?アイリエッタ姫…っく。魔法を使っておられるな…おいっどうしてこのような状態になったんだ!?」


ひええぇ!?エイシュリット王太子殿下の魔力がガンガン上がって地下牢に魔力のスパークを起こしているよっ!地下牢は水気が無いから発火とかしない?大丈夫かっ?


「こちらに…か、勝手に入られてしまわれたのです…」


この声は私を案内してくれた女の子ね?すると、その言葉を聞いたエイシュリット王太子殿下が魔力をまた上げた。魔圧が上がり過ぎてぶっ倒れますよ?落ち着け、アイドル。


「アイリエッタ姫が何故勝手にこちらに入るんだっ!ルイナーデ…お前まさか、姫に無体を働いて牢に押し込んだのではないか!?」


ひえぇぇぇ!?違うっ違うっ…その子は私を案内してくれただけでぇぇ…!


私が弁明?の為に慌てて鉄格子に近づいた時にメイドの女の子、ルイナーデさん?だったか…が急に泣き出した。うわわっ!女の子泣かせるなんて酷いよ!


「エイシュリット王太子殿下っ違います!私が自分でこの牢に入ったのです!」


私の声が地下牢に響くと地下牢に居た複数人の方々は押し黙った。メイドのルイナーデの泣き声だけが響いている。


私が続けて言葉を言おうとした時に、被せるようにルイナーデの絶叫が響いた。


「ケイトリーサ様に言われてっアイリエッタ王女殿下をここに閉じ込めたのですっ!」


…え?何だって?


「ケ…ケイトリーサ?ケイトリーサ=バウンテラス公爵令嬢か?」


どういうことなんだ?ケイトリーサ公爵令嬢?


ああっ!もしかしてぇ!そのケイトリーサさんとやらがエイシュリット王太子殿下の『運命の相手』じゃないの?そうだろうよ~間違いないよね!


エイシュリット王太子殿下に、ルイナーデが申し訳ございません…申し訳ございません…と呪文のように呟いている。私はパーテの板を少し動かして、牢の外を覗き見た。


エイシュリット王太子殿下と共に年嵩の女性と近衛の方かな?男性陣が揃ってルイナーデを見下ろして睨んでいる。


ちょいちょいー!大人数でしかもいい年した大人が、女の子ひとりに向かって威圧的態度なんてダメだよ!


私はパーテを押し退けて叫んだ。


「大人が女の子を威圧するなんて駄目よ!」


「!」


地下牢の前に居た皆さんが驚愕の表情で私を見た。


私の姿を見たルイナーデはまた泣き出しながら鉄格子の前に走り込んで来ると泣きながら鉄格子に縋り付いた。私は鉄格子越しにルイナーデの指先を撫でてあげた。


「姫様…姫様っっ…申し訳ありま…うえええん!!」


「いいのよ、いいのよ?私こそごめんなさいね。私が牢に閉じこもってしまったからあなたひとりが責め立てられて…」


エイシュリット王太子殿下はオロオロしながら首を捻っていた。


「え?え…とこれどういうことかな?アイリエッタ姫?ルイナーデ…」


「私が地下牢に姫様を連れて行ったのですぅぅ!」


「私は案内されたので、地下牢に入ったのです!」


ルイナーデと私の言い分に齟齬(そご)は無い。当たり前だ。


だがエイシュリット王太子殿下と皆様は頭を捻っている。そして私も気が付いて頭を捻った。


「ね…ねえ?ルイナーデ、ルイナーデは地下牢に私を案内してくれたのよね?それって、エイシュリット王太子殿下に指示されたのよね?」


「んなぁ!?」


ものすごい絶叫の後、エイシュリット王太子殿下は白目を剥いて仰け反って、地下牢の廊下の壁で後頭部を強打していた。


ゴォォオン…とかいう鈍い強打音が地下に響いていたけど、エイシュリット王太子殿下、大丈夫?


メイド長に冷やしたタオルを頭に当てられているけど、たんこぶ出来たんじゃないかな?エイシュリット王太子殿下は負傷?するし、ルイナーデは号泣しているし…私の牢屋(籠城部屋)の前は大騒ぎです。


誤字ばかりですみません。目が誤字を感知しないようだ…(嘘)

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