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プロローグ
六月十八日、今日も雨。
僕は、晴れよりも雨が好きだ。変わっていると言われるかもしれない。でも、僕みたいな陰気なやつには、爽やかな太陽よりも、どんよりした雨空の方が似合うだろう。
僕は、雨でも大学に来る。雨だからといって休む勇気は、僕にはない。まあ、友達がいないから一度休むと講義が分からなくなるというのもあるが。
ここまで読んでもらって判ると思うが、僕は相当根性のねじ曲がったいわゆる陰キャである。
もちろん彼女いない歴=年齢だし、友達も小学校以来できたことがない。
幸いにも小中高でいじめられることはなかったが、特に干渉もされない、空気な存在だった。
人生が楽しいか?と問われれば、NOと答える。
それでも、死ぬような勇気はないから、毎日を事務的に過ごし、なんとかその日をやり過ごしている。
僕は、「死なないために」生きているーーー。
まさに、そんな表現がぴったりだった。