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雫と映画と夜行バス

作者: 狐

これは大学が決まった夏野雫に起こった物語

※フィクションです

夏野雫の趣味の映画鑑賞だった

好きなマンガが原作の実写映画を見た翌日に……

私、夏野雫は高校3年だ

私自身はもう進学する大学が決定した

第一志望の大学の指定校が取れたからだ

1年や2年の時勉強をサボってて評定の推薦基準にはギリギリだった

でもなんとか推薦してもらえて合格できた

周りのみんなには悪いけどこれでもう受験勉強とはおサラバだ

そんな風に思ってた2学期末のテスト明け

私は原作が好きなマンガの実写映画が公開されるというのを知って見に行った

話の内容は簡単に言えば記憶喪失ものだ

ただ原作とキャラ設定が大きく変わってる子がいてとても残念だった

でも話そのものはそこそこよかったから複雑な気持ちだった

「もっと原作通りだったら良かったのにな」

何気なく呟いていた


次の日の朝

私は混乱した

見た事ある気がするがどこかわからない

見た事ある気がするが誰か分からない

昨日私が何したかもほとんど分からない

私はどこの誰かも分からない

覚えているのは昨日映画を見に行った事とその内容それと私の好きな人には彼女がいるという事だけだ

「まるで記憶喪失になったみたいじゃない…」


その日は学校があったが休んだ

学校に行っても誰が誰だかわからないと思ったからだ

私は記憶喪失を治す方法を調べようとスマホを開こうとした

でも開けなかった

パスワードが分からないのだ

辞書になんて治す方法が乗ってるはずがない

聞いてもわかるわけが無い

だから覚えている昨日見た映画の事を思い出していた


その映画は定期的に記憶を無くしてしまう女の子と無邪気な男の子が主人公のお話だった

男の子はその女の子に一目惚れして

女の子が定期的に記憶を無くしてしまう

と知った後も女の子に何度も何度も告白して付き合ってっていうのを繰り返して

少しずつ女の子の記憶に男の子との思い出が残るようになってきて

最終的に定期的に記憶が無くなることが無くなって2人は結婚して終わるという話だった


それを私に当てはめると誰かに一目惚れされて恋人になって

また記憶を失ってまた付き合ってっていうのを繰り返すって事になる


私には実は好きな人がいるの

クラスではそんなに目立つ人ではないんだけど優しくて他人に気配りが出来てて何事にも一生懸命な人なの


でも彼は付き合ってる人がいる

私は実際に聞いたわけじゃないし今は遠距離恋愛らしいが彼は彼女の事をめっちゃ大事にしてるのは見ててわかる

だから私の好きな人は恋人にはならないだろう

ならいっそのこと記憶喪失のままでもいいんじゃないか と思った


どうせ私の見た目だと好きなんて言ってくれる人なんていない

私は名前通り体型が雫みたいなのだ

だから私に惚れるのはデブ専くらいしかいない


私が映画を見るのが好きなのも自分の体型が理由なの

痩せてるヒロインに感情移入して自分も数時間の間だけだけど、この体ではなくモデルさんみたいなヒロインになったと錯覚出来るの


とりあえず望みは薄いけど映画の内容をそのまま実行しようかと思った


話のはじめ 男の子と女の子は夜行バスで出会うの

2人とも1人で乗っていて、その時はまだ女の子は学校にほとんど行ってなかったから初対面だったの

でも、彼が制服を着ていたから同じ学校だっていうのは分かったの

彼の方は分からなかったみたいだけどね

確か彼の方は法事の帰りで彼女は親戚のおじさんの家に行った帰りだったはず

だから私も私服で夜行バスで親戚のおじさんの家に行って帰ってくれば恋人が出来るかもしれない


ならまずは親戚のおじさんの所に行くために乗る夜行バスと帰りに乗る夜行バスを予約しなくちゃ

同じ学校の子が乗るという条件を考えると帰りは日曜日がいいかな?

おじさんがどんな人か分からないから朝か昼について夜遅くの夜行バスに乗れば映画と同じパターンになるかな?

幸いにもまだバイトはしてないはずだけど財布にはいくらかお金があったからなんとかなりそう

スケジュール帳見ても今週は何も書いてないし

これなら大丈夫だ


「綺麗に予定が空きすぎてて逆に怖いなw」

いきなり耳元で声がした


私はびっくりして周りを見渡したが誰もいない

「空耳?でもやけにハッキリ聞こえたよね?」

だが何も返事は帰ってこなかった


「俺の言葉が聞こえても見えないだろうな、雫みたいな雫ちゃんw」

「だれ!? 隠れてないで出てきなさいよ!!」

「俺は隠れてるつもりは無いけど見ないようにしてるのは雫ちゃん自身だろw」

「せやせや!俺らは姉ちゃんの事見えてるで 見ないようにしてるのは姉ちゃんの方や(笑)」

「私が見ないようにしている?どういう事?」

「「意図的に周りの事考えてないだけやろ、雫ちゃんw(姉ちゃん(笑))」」

「二人揃ってどういう事なの?」

「君が好きな妄想がこの状態を生み出してるんだよ 雫ちゃんw」

「妄想がこの状態を生み出してるってどういう事?」

「そのままの意味だよ 雫ちゃんw」

「訳わかんないよ……それと雫ちゃんwってやめてよ馬鹿にされてるみたいだから」

「馬鹿にされてるみたいじゃなくて馬鹿にしてるんだよw」

「酷っ なんで馬鹿にされなきゃいけないのよ それに馬鹿にするんならちゃんと姿現してから言いなさいよ」

「よっ!おしどり夫婦(笑)」

「「あんた(お前)何言ってんのよ(だよ)」」

「流石、やっぱりハモるんだ(笑)」

「まぁ、言い方変えるとそろそろ覚めたらどうだって事だよw」

「私起きてるよ?」

「「こりゃ末期だ、手に負えねぇ……」」

「人を何勝手に手遅れ扱いしてんのよ」

「・・・だって手遅れだし現状」

「ここまで行くとなww」

「まぁ、夜行バスのチケット買う前には覚めた方がいいよ(笑)」

「せやな、それだけは言っとくわ じゃあな雫ちゃんw」

「だから雫ちゃんwって馬鹿にするなー!」


その後二人の声は聞こえなくなった

でもあれはどういう意味だったんだろう?

覚めるの意味がこの覚めるなら夢からとかになるよね?

でも私は今起きてるから寝てるわけじゃない

なら眠ってる才能が目覚めるの覚める?

でもそれも違う気がする

何なんだろう……


とりあえずまずはチケット買いに行かなきゃ

ってどこでチケット買えるんだっけ?

そもそもどうやって予約したっけ?

まぁ、いいや

多分コンビニに行けばチケット買えるはず

ならコンビニにレッツゴー

と言ってもコンビニってどこだっけ?


ここで違和感に気づいていたらよかった

そう思ってももう遅いのだが……


とりあえずぶらぶらと外を歩き回った

だがコンビニどころか見つかるのは家・家・家

「コンビニどこ〜?」


だが実は今いる場所はコンビニの目の前である

雫だけが気づいていない いや認識できていなかったのである


「あの人頭イってんじゃね((ヒソヒソ」

「何コンビニの前でコンビニ探してんだか…」

「認知症?早いねぇ……」

「寝ぼけてるのかな?」


と色々周りで言われているのにも雫は気づいていなかった…


雫の耳にふと聞いたことある音楽が聞こえた

昨日見た映画のエンドロールの曲だ

しかもフルバージョンだった

それを聞き終わった時ふと目の前にコンビニが見えた

そして周りがひそひそと話していた言葉が聞こえた


雫はやっと気づいた

自分がどんな状態だったかを

コンビニの前でコンビニを探す

奇行以外の何ものでもなかった

それに気づいて羞恥でその場から逃げ出した

そしてあの2人の言葉の意味も理解した


「私、夢の中でもあの映画と同じ事しようとしてたんだ……」

その時あの二人の声の主が誰だったのかに気がついた

弟の昌と幼なじみの武志だ

昌なら茶化して来るのもわかるし姉ちゃんというのも分かる

そして雫ちゃんって呼ぶのは昔から武志ぐらいだから

武志以外の人はだいたい夏野さんか夏野って呼び捨てにするか雫って呼び捨てにするかだから


落ち着いてから今回の状況を整理してみるととても簡単な事だった

唯一疑問なのは何でこんなことになったのかのきっかけが分からない事だけだ


私の予想では

映画を見て家に帰ってきた

→家帰って寝た

→夢の中で記憶喪失になる夢を見た

→そこから目覚めずに夜行バスを予約して代金入金しようと家を出ようとした

→そしたら昌と武志に声をかけられた

→ただあの二人はどうする事もできないと思ったからチケット買う前には覚めた方がいいと助言だけした

→体はコンビニへ行っていたが夢の中では私は迷子になっていた

→そして誰かが昨日見た映画のエンドロールの曲を流した

→それによって私の中での映画が終了して夢から覚めた

この流れだと思う


「落ち着いて考えると誰かがあの曲をかけてくれなければこのまま色々してたんだ……怖っ」

今までこんな事無かったのになんで今回だけ?

その疑問がずっと胸に渦巻いていた

数多いる作者様の中からこの作品を読んでいただき誠にありがとうございます

感想をいただけるとさらに嬉しいです


本編についてはここまで読まずとも途中で気づいた人もいらっしゃるとは思いますが

正しくは記憶喪失ではなくどっちかっていうと夢遊病が近いです


都合の悪い事のみ忘れるとかでも救いようがないんですがこれはこれで周りからしたら迷惑でしかないですね(^^;


この話の発想は夢でお弁当を入れるたのに起きたらお弁当は昨日のまんまだったとか夢で仕事したのに起きたらまだ出勤すらしてなかったとかいうのです


タイトルの雫と映画と夜行バスはそれぞれ

雫→夏野雫

映画→記憶喪失もののー

夜行バス→映画の中の最初のシーンと目覚めるきっかけになる行動に関連してます


最後の主人公の疑問

何によって始まったのか

それは映画の初めに流れる東映さんなら水がザバッとなるシーン、松竹さんなら富士山のシーン、ROBOTさんならロボットが頭のズレを直す

そのシーンの音を夢を見る前に聞いてたというのが私の中での答えです

主人公が見た映画がどこの会社の作品か決めてないので最初の導入の所は分からないという事にしてます


エンドロールがフルバージョンと書いたのも映画がちゃんと終わったとわかりやすくするためです

映画が好きな人というか私はエンドロールの途中で席を立つ意味がわからない。エンドロールを含めて映画だと思うので地上波でノーカット放送の時にエンドロールがカットされてたのはムカついた人間です 。

なので主人公(夏野雫)も私と同じエンドロールまでちゃんと見る設定にしました

映画を見る時にこの脚本家さんは原作を尊重してくれる人だとかこの脚本家さんは原作を軽んじてキャラ設定をいじくる人だとかも結構見るかどうかを判断する基準に私はなってます

この話の映画の感想は少しそのディスりが入ってます(^_^;

雫ちゃんは私と瓜二つかも知れませんね(^^;

もちろん私にはこんな事できませんけどねw

それに昌と武志の様子から初めてではなさそうですし……


最後に改めて

数多くある中でこの作品を読んでいただき誠にありがとうございました(〃・д・) -д-))ペコリ

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― 新着の感想 ―
[良い点] ガバい記憶喪失な描写。それが記憶喪失ではないことをちゃんと納得させてくれる。 [気になる点] やりたいことは分かるが、そのせいでかなり読みにくい話になっている。ガバい記憶喪失の下りのどこか…
[良い点] 雫の心境や不安感がよく伝わるところ。 [気になる点] 語り手の視点は統一した方がいいと思います。 弟と幼馴染の登場が唐突に感じられるので、事前にその存在をほのめかしておいた方が良いと思いま…
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