36話!
ドサバの北門を出て僕たちは街道を進んでいた。
「アタシがいつも通り偵察に行くぞ」
「ダメよ」
ヴェールの提案はすぐにクレブリアに否定される。
「え? なんでだ?」
「今回は一人では動かせない……誰もよ」
一番前にいたクレブリアが全員の顔を見るように立ち止まって振り向く。
「全員必ず単独行動はしない事……手の打ちようがない以上、誰かが取り憑かれたらその人をみんなでその場から連れ出すの、全員が取り憑かれたら終わりよ」
全員が正気を失ったらもう村を取り戻す事は絶望的になる。
「おう、分かったぜ、みんなで助け合おうぜぇ」
ゴーディルが右手を上に向かって突き出して言った。それを見て男たちが同じようにする。僕は頼もしさを感じる。単純に人数の多さは安心につながるのか。
「さぁ気合を入ったし、いっちょ突撃かい? クレブリア」
「いえ、まだ……ゴーディルに確認したい事があるのよ」
「なんでも聞いてくれよ」
親指を立ててゴーディルが笑う。クレブリアは少し眉間にしわを寄せて言った。
「もうちょっと深刻に……まぁいいわ、スケルトンの剣ってどれくらい出せるのかしら? 前に使ってたでしょ?」
前に僕と戦った時、スケルトンナイトの剣だけ召喚してそれを使用していた。それの事を言ってるらしい。
「スケルトンナイトのは一本、スケルトンのなら……やった事ねぇけど十本くらいか」
「人数分は?」
「……参謀殿がやれと仰せなら」
妙におどけた態度でゴーディルがそう言った。クレブリアがクスッと笑う。
「じゃあやりなさい……男を見せてほしいわ」
その言葉を聞いた瞬間、ゴーディルは火がついたような笑顔を見せて言う。
「ははっ、それを言われちゃあ、やるしかねぇなぁ! 俺の手綱の握り方よくわかってるじゃねぇの!」
ユラリとゴーディルの体から魔力が沸き上がるのが見えた。人数分だとほぼ十本の三倍になる。できるのか。
「全員場所を開けろ!」
その言葉に僕たちはゴーディルから少し距離を取る。
「魔法陣展開! サモンズスペル! 《アンデット・スケルトン》!」
唱え終えるとゴーディルの足元の魔法陣の周りに小さめの魔法陣が複数できる。数は十個だった。
「あら……やっぱり無理だったかしら? ……ごめんなさい」
とても意地悪な笑顔を浮かべてクレブリアが言った。ちょっと怖い。
「ははっ、バカ言っちゃいけねぇ、こっからだよ!」
そこからさらに魔法陣が増えていく。もう少しだ。
2回目!




