4話!
「緑色ね」
クレブリアがそう言う。小川は色で例えづらいし、草原の緑が妥当だろうと思う。
「あとはどんな感じにするかだね」
「クレブリアさん的にはどういう感じなら納得できます?」
「可愛さとかっこよさどちらかがある感じね」
可愛さかかっこよさか、子供の女の子でそういう感じなら。僕は少し当たりをツケて色々見て回る。セルカは相変わらず白か黒の色をヴェールに勧めていた。緑色だねという話はガン無視である。白か黒かの洗脳をしようとしているようにも見える。
「なんかごめん」
「うぇっ」
僕はいきなり声をかけられ驚いて振り向く。するとそこにヴェールが立っていた。さっきまでセルカの所にいたのに。セルカの方を見てみるとキョロキョロしながらヴェールを探していた。気配を消して逃げて来たみたいだ。
「すごいな」
「え?」
「あっいや、何でもないよ……なんで謝るの?」
「アタシなんかのために、みんなに時間使わせて、お金だって自分のじゃないし」
ヴェールはしゅんとしながら言った。クレブリアに言わないところをみるとこういう事を言うのは良い事ではないと理解はしてるんだろう。それでも言わないようにはできなくて僕に言った感じ。
「気にすることないよ、もう仲間だからね」
「……でも」
「正直に言って」
僕はヴェールの言葉を遮るように言った。
「仲間になってくれて嬉しい、寂しくないから、僕は仲間が出来て、嬉しくて舞い上がって仲間のために何かしたい、だからこうしてる……ね?」
「ありがと」
少し、遠慮がちにでも嬉しそうにヴェールはそう言った。
「これは秘密にしてほしいんだけど……実はね、みんなに出会う前、僕はずっと一人だった、誰も信用できず、歩み寄ることもしないで……相手に関わる前に勝手に信用できないって決めつけて距離を置いてたんだ」
「そう……なのか」
「うん、それでもそういうのはいけないなって思って、歩み寄ってみたら一人じゃなくなった」
僕は三十年間一人だった。両親さえ遠ざけて、死ぬ瞬間に見た両親のクシャクシャの泣き顔さえ、信用できていなかった。自分勝手な事に自分のダメなところ、運動音痴やノロマな所を人のせいにしてコイツらが悪いって。ちょっと後悔と共に生まれ変わって、セルカに歩み寄ってみた。そしたら変わったのだ。
「まぁ、難しい事は置いといて……心配せず、身を任せてみればいいよ」
ヴェールが微笑む。声は聞こえなかったけど、頷いた。
「よしよし、じゃあ続きを」
僕の言葉の途中にクレブリアが服を一式持ってやってきた。
「コレ可愛いカッコイイわ」
2回目!