28話!
「宿に泊まれるほど金はないさ」
ゴーディルが面白そうに言った。お金がないなんて結構重大な事なのにそんな簡単な。
「野宿なんて慣れてるさ、むしろそっちの方が落ち着くぜ」
「そう、わかったわ、エル、行きましょう」
「え? でも」
「いいんだよ、気にすんな」
ゴーディルが僕の背中をバンバンと叩くようにして、宿街の方へ押す。
「これだけの人数の宿代はキツイですね」
「そう……だけど」
セルカに僕の考えが読まれていたのか先回りで言葉を止められてしまった。
「ありがとな……エル」
ニカッとゴーディルが笑った。僕は申し訳ない気持ちで歩き出す。クレブリアを伺い見るといつも通りの表情で気にした風はない。僕が甘いだけか。
「色々あるぞ!」
宿街の中には酒場や雑多な飲食店がゴチャゴチャと入り混じっていた。いかがわしそうな店まである。街と言ったものの本当に無秩序で店の並びまでガタガタだ。キレイに建物が並んでいない。
「はしゃぐとはぐれるわよ」
ヴェールをクレブリアが注意しつつ、宿屋を探す。
「宿屋が無いですね」
「もっと中心の方かもしれないわ」
クレブリアがそう言って進んでいくと、少し静かなエリアに出る。
「本当にあった、どうして分かったの?」
「簡単よ、宿が最初にできてその後、発展したなら宿の周りに広がるようになるはず……なら中心に宿があるわ」
「なるほど」
「さぁどこがいいかしら……こだわりが無ければ安そうででもボロくないとこにしましょ」
「そうだね」
皆がうんうんと頷く。そしてウロウロと見て回り始めた。親切な事にほとんどの宿屋で店先に一泊の値段が書いてある。やっぱり近くに同じ店が集まると工夫と競争が増えるんだろう。あまり差が見られない。それはそれで迷うんだけど。
「エルが決めてよ」
「そうですよ」
「えぇ僕が決めるの?」
「エルがリーダーだから当然だぞ」
そう言われて僕は一つの宿屋を指差す。
「決まりね……空いてるといいけど」
「もうすでに一杯なんてことないですよね」
「とりあえず行ってみよう」
僕達は決めた宿屋に入っていく。受付はセレンの宿屋とそれほど変わらない。そこに男性の店員がいた。
「どうも、泊まりたいんですけど」
僕が代表して言うと店員が少し困った表情をする。
「申し訳ありません、今、三部屋しか空いていないのですが」
「あっ三部屋」
僕は皆に振り返って「どうしよう」と聞いた。
「三部屋なら問題ないですね……いつもと同じになっちゃいますけど」
2回目!




