23話!
「たいした事ではなんじゃが、馬車の事じゃ、ドサバまで行ったらこの馬車の仕事は終わりじゃ、到着した次の日から数えて三日後に別の馬車が君らを迎えに行く事になっている、ある程度は融通を聞いてくれるよう頼んだのじゃ、時間がかかりそうなら待ってくれるはずじゃから、声だけ、かけてやってくれ」
「わかったわ……待ち惚けはかわいそうだものね」
クレブリアがヨルセダにウィンクする。
「では無事を祈っているのじゃ」
「よろしくお願いします」
僕は馬を操る人に一声かける。笑顔で会釈してくれたけど、それだけだった。しばらくして馬車が動き始めてなんだかウキウキしてきた。依頼ではあるけど旅みたいなものだ。
「ウキウキしてますね」
セルカが僕の顔を覗き込むようにして言った。
「なんか楽しくない?」
「えへへ、そうですね、なんだかんだ言って楽しいです」
「もっとお金たまったら、旅行するのもいいかもしれないわね」
「んーいいぞそれ! なっ、ネピア」
「うん、いろいろ見るのは良い事」
五人が五人ともいつもよりテンションが高い様に思う。他の馬車も同じ状態かな。
「でも馬車って早いのに意外と揺れないね」
「えぇ、何か入ってるんじゃないかしら、しなる物でうまく衝撃吸収してるとか」
「なるほどぉ」
僕は感心した。バネはないのかわからないけど、それに近い物で代用しているのか。
「ところでクレブリアさん」
「なに?」
ふと疑問に思ったのかセルカがクレブリアに声をかけて問いかける。
「ドサバって領地を出ないですよね」
「あぁそうね……ドサバもアンレーブ領よ」
「領地? アンレーブ領?」
いきなりそんな話になって僕は混乱した。当たり前と言えば当たり前か。
「セレンとレガルとドサバ三つがアンレーブ領の領地よ、厳密には街も含めたここの辺り全体ね」
「そうなんだ……どこに領主いるの? セレンはそれっぽい屋敷なかったし、別の街?」
「いえ……街に住んでるもの好きもいるでしょうけど、ここの領主は三つの街のある真ん中ぐらいだったかしら、そこに屋敷があるわ」
僕がただただ感心しているとセルカが口をはさんだ。
「たしか領主って今いなかったような……亡くなったとかで奥さんが代行してるんじゃなかったですか?」
「あぁそうだったかしら」
「領主が亡くなった時、確かお家騒動でゴタゴタして、それで街がその話題で持ちきりだったんですよ」
1回目!




