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転生オーライ!  作者: 高岩 唯丑
3:魔道具の役目は何たるか
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2話!

 まずは服屋さんという事で僕たちはあそこに来た。僕がこの世界に来て冒険者らしい恰好を求めて、行ったらいろいろあって店主に服の提供をしたあの店だ。


「やっぱりここですね」

「僕の行きつけの店だよ」


 親指を立てながら僕はクレブリアとヴェールに言った。


「いき……つけ?」


 ヴェールがクレブリアの顔を見ながら言葉を繰り返した。よくわかってないらしい。


「よく行く店、仲がいい店ってところかしら」

「よく来てるわけじゃないから仲がいい店かな」


 僕は少し訂正する。結局アレから一度も来ていない。


「とにかく入りましょう」

「そうだね」


 アレから提供した服は活かす事が出来てるのだろうか。楽しみにしながら店の中に入るとちょうど店主が目の前の棚で作業中だった。


「いらっしゃ……エル様! お久しぶりです!」


 ものすごい勢いで店主が僕の目の前に駆けてくる。短い距離にすごい速度だから正面衝突しそうになった。


「はは……久しぶり」

「久しぶりです」

「この方々はお仲間ですか?」


 店主はクレブリアとヴェールにそれぞれ笑顔で会釈する。


「私はクレブリアよ」

「ヴェールだぞ」


 クレブリアが恭しくお辞儀をするとそれを見たヴェールがたどたどしくお辞儀をする。


「よろしくお願いします」


 そう店主が言った瞬間、すぐに僕の方に体を向けて言った。


「ところで! 前にいただいた服ですが!」

「あぁ……うん、どうしたの?」

「あの珍しい色を再現できそうなのです!」

「え?! すごいね!」


 どうやって再現できるのだろうか。現代の知識もなしに。それとも現代の知識なんていらないくらい簡単な事だったか。ティーシャツや服をどう作っているか興味なんて持った事なかったから。


「もともと植物や木の皮などを染色の試しに使っていて、似た染料はみたことがありました」

「そうなんだ」

「ただ服に使える色だとは思わず……あの色の服を見てあれだけ明るく鮮やかならオシャレになると気づいて」


 店主が僕の手を握り言う。


「ありがとうございます!」


 そう言って僕の手を店主がぶんぶんと上下に振る。そうしているとクレブリアが口を開いた。


「木の皮でまともな色なんてつくのね」

「えぇ! しかも木によっては季節で色が変わったりする物もありますよ」

「色が変わるの? すごいわね、どうしてかしら」

「あぁどうしてかはちょっと……申し訳ありません」

「養分を吸う量だったり、養分の種類が時期で違うからかしら」


 思考モードになったクレブリアはちょっと正気に戻るのに時間がかかる。僕はセルカとヴェールを連れて店を見て回り始めた。

2回目!

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