9話!
「クレブリア君……なんじゃ?」
やっぱりヨルセダの表情が引きつっている。どうしたんだろう。
「討伐対象が何なのか聞いてないわ、それなのにやるか、やらないか聞くなんて、どういうことかしら?」
クレブリアのその指摘を聞いた瞬間、ヨルセダの目が泳ぎ始める。全然気づかなかったけど怪しい。
「いいいいい言ってなかったかの、ははは……」
「多分厄介な相手なのよね、断られて巡り巡って回ってきたんじゃないかしら、人手が足らないってのも怪しいものね、たぶん私達に断られると、あとがないのね」
一息でクレブリアが言い切るとヨルセダはため息をついて言った。
「すまん……そういう事じゃ、断られて回ってきた、厄介事じゃ、君たちより前に何人も打診したがみんな断られたんじゃ、あとがない」
「それで討伐対象を伏せてたのね……私抜きで話せば良かったのに……ヨルセダはお人好しね」
「お人好しではない……騙すような形で承諾させようとしておったのじゃ……すまん」
頭を下げてヨルセダが言う。僕達は急いで否定する言葉を言った。
「騙すなんてそんな、それも戦略ですよ」
「そうそう! 騙されたなんて思わないから」
「……それに今までさんざん助けてもらったのよ、頼まれたらやるわよ」
「ヨルセダの為ならアタシ頑張っちゃうぞ!」
「ヴェール……みんな……ありがとうなのじゃ」
ヨルセダは少し泣きそうな顔で感謝を表した。
「それで討伐対象なんじゃが……ゴーストじゃ」
「お断りするわ」
「そうですね! お断りします!」
それじゃあとクレブリアとセルカが部屋をいそいそと出ていこうとする。
「ウソツキぃぃ! 断らないって言ったのじゃぁぁ!」
ダッシュでヨルセダが二人のもとに近づくと腕をガッチリ掴んで部屋から出さないようにする。
「人のこと騙して行かせようとしといて! お互い様です!」
ヨルセダから逃れようとセルカがグイグイと腕を引っ張りながら言う。
「助けてもらっといて申し訳ないと思うわ! でも無理!」
クレブリアもセルカと同じようにしながらそう言う。
「こんな幼気な少女のお願いを無視するの?! ヒドイよ! お姉ちゃんたち!」
ヨルセダの女の子らしい口調と声に僕はギョッとする。
「こういう時だけじじい言葉やめんなです!」
「そうよそうよ!」
「くっ、ヴェール! ヴェールは私の味方じゃな?! あれ? ヴェール?!」
僕は周りを見回すとヴェールの姿がなかった。
「絶交じゃぁ、今日で絶交じゃ!」
僕とネピアは呆然としながらその光景を見ていた。
「人をここまで狂わせるゴーストって」
「分からないよ、そんなに怖いの?」
1回目!




