1話!
僕はヴェデア草原に居た。少し前に上級魔法の本を読んで、勉強してイメージトレーニングをしていた。その成果を今日、試してみようとここまで来た。上級魔法だけではない、ネピアがゴーディルに使われている時に覚えたというサモンズスペルも試してみるつもりだった。選択肢は多い方がいい。
「さて、やってみるか」
「ネピアは?」
「うーん、どうしよう」
ネピアの補助ありでやった方がいいだろうか。でもネピアだって初めてな訳だ。最初に僕がやってそこから二人でやる練習をした方がいい気がする。
「まずは僕一人で」
いつも通り無表情でネピアが頷く。
「そうだ、今から僕はサンダー以外の属性の練習するけど、ネピアの方も練習しといてよ……できる?」
「できる、なんの属性?」
「ウィンド属性だよ」
「風……わかった」
それだけ言うとネピアはさっそく集中を始める。僕も負けてられない。ネピアからある程度離れた僕は目をつぶって集中する。手のひらを上に向けて、前に突き出した。
「風……吹いている風」
前、遺跡へ行った時、大蜘蛛を眠らせるために薬草を燻して流した。その時に初めてファイア属性の変換をした。アレと同じことをすればいい。むしろ今回は弱くしなくていいから簡単かもしれない。手に魔力を集める。せっかくだから復習のためにファイア属性へ変換してみよう。
「できた、ほとんど無意識に使えた」
次はいよいよウィンド属性。風が吹き抜けるイメージ。ちょうど草原だ。初めてこの世界に来た時の事を思い出す。あれがすごい昔に感じる。でもここに来て初めて風の感触は忘れられない。風が通り抜ける感触、肌が風に撫でられ少しくすぐったかった。緑色の集りの間からふわりと形を変え続ける木漏れ日。あれも風の感触。今はあの時より少し暑くなってきてて、風が気持ちいい。
「できた」
目を開けて手のひらを見ると風が舞っている。先の景色が少し歪んで見えていた。
「これをアローに」
ウィンドアローがそういうのか見た事ないけど、たぶん風が、らせん状に巻いている物だろう。そんな感じの物をイメージする。手のひらの風がかなり大きめに巻き始めた。
「これじゃあ威力がほとんどないだろうな」
一応もっと細く圧縮させようとするけど、あまり変わらなかった。これは要練習だ。
「せっかく作ったウィンドアローだし、撃ってみるか」
僕は周りに人がいないのを確認する。
「よし、ウィンドアロー」
ボヒュッという情けない音を出して、飛んでいくとすぐ消えてしまった。
1回目!




