38.5話!
クレブリアは目を覚ますと無意識に四つん這いになって、犬みたいに伸びをしてしまった。ハッしたクレブリアは隣で寝ているヴェールを確認する。やめようと思ってても寝ぼけている間についやってしまう、クレブリアは後悔によって少し顔を赤らめるが、すぐすました表情に変わった。
「さて」
窃盗団との戦いを終えて、その様子からエルは疲れ果てていて、今日はまともに動けないとクレブリアは予想する。だったら女子だけでやりたい事があった。
「ヴェール」
一度、呼びかけてみるとヴェールは寝返りをうつだけで無反応だった。クレブリアはそんなヴェールを見てつい笑みがこぼれる。
「よく寝てるわ」
ヴェールの頬に手を当てたクレブリアはまた微笑む。しばらく眺めているのが最近の朝の日課だった。でも、とクレブリアが思い、ヴェールを揺する。いつまででも見てられるが怠けるクセをつくないためにも朝はだいたい決まった時間に起こすことにしている。
「ヴェール、起きるのよ」
「むぅー」
変な唸り声を上げて抵抗の姿勢のようにうつ伏せの格好へ変わる。いつもの事だった。クレブリアはヴェールのお尻をパチンと叩く。
「ひゃっん……いやぁー」
「起きないともう一発よ」
「……すぅ」
寝息が聞こえたのでもう一発、強めに叩く。
「ひゃっうん……いーたーいー」
ヴェールは丸くなりながら両手でお尻をガードした。無駄な抵抗を、クレブリアはそう思うと自然と笑みがこぼれた。毎朝この何にも生み出さない攻防を繰り広げている。でも無意味なのにこの毎朝がとても愛おしいとクレブリアは感じていた。
やっと目を覚ましたヴェールを連れて、クレブリアはセルカの部屋を訪ねた。
「起きてるかしら?」
ノックをしながらそう聞くと中からセルカの声が聞こえる。しばらくするとドアが開いてセルカが顔を出した。
「はい」
「今日何か予定あるかしら?」
「エルさん次第かなと思ってたところです……たぶん今日は遅くまで起きられないでしょうし」
「そう……予定がなければお願いがあるのよ」
「なんです?」
クレブリアは少し恥ずかしさを覚えて、顔がほんのり熱を持つ。セルカが不思議そうにクレブリアの返事を待っている。
「甘味って言うのかしら……そう言うの連れてってほしいのよ……体験してみたいというか」
「ないんですか?」
セルカが驚いた様に聞くとクレブリアは頷く。
「そんな余裕なかったのよ」
番外編!




