47話!
「ネピアお待たせ」
僕が外にいたネピアに声をかけると無表情で顔を横に振った。騎士団の詰め所をあとにして僕達はギルドに向かって歩いていく。
「本当にありがとう……わざわざこんな事してくれて、ほんとに」
「いいのじゃ、ゴーディルという男はなかなか良いと思った、閉じ込めておくのはもったいない、閉じ込めずに罪を償う方が良いのじゃ」
呵々と笑ったヨルセダが僕の背中をバンッと叩いた。ちょっと僕はよろけながらさっきの事を聞く。
「でもあれって……さっきの嘘、大丈夫なのかな?」
「嘘? 何のことじゃ」
ヨルセダがイタズラっぽく微笑む。
「あれ? もしかして本当の話?!」
「はははっ、エル君、君も騙されやすいタイプじゃな」
「え、じゃあやっぱり嘘?」
「嘘というのは人聞きが悪いの……私はただ、放蕩息子は厄介だよねって世間話をしただけなんじゃが」
ニヤニヤと笑ったヨルセダがそう言う。確かにそう捉えることもできる。
「たまにあるんじゃよ、貴族のバカ息子、バカ娘が騎士団に捕縛される事が……それでだいたい、反省させるためにしばらく助けなかったり、そのまま軽めの罰を望んだり……でも所詮はそのバカ子供を育て上げたバカ親じゃ、厳しい罰には怒り始める、ちょうどいい罰をとアホなことを言う、まぁ今回はそれに助けられたのじゃ、あまり悪口を言ってはいかんな」
ヨルセダはケラケラと笑う。ちょっと悪い部分が垣間見えた。
「ところで、このやり方だとゴーディルだけ減刑されちゃいそうだけど」
「いいんじゃよ、ちゃんと仲間も丸ごと減刑されればそれでよし、ゴーディルだけ減刑されても、やつならゴネるじゃろう、仲間がそのままなら、俺もそのままだって具合でじゃ」
「あぁ、それで仕方なく仲間も同じ扱いになるのか」
「そうじゃ」
嬉しそうに笑うヨルセダ。自分の立場を利用して、相手をうまく誘導してしまった。
「でもあの責任者の人、大丈夫かな?」
「エル君は優しいのぉ、大丈夫じゃよ、貴族の息子が捕まったというのは広まっては困る噂じゃ、だからやった事に対して妙に刑が軽いという物にいちいち口を出す者はおらん、暗黙の了解ってやつじゃ、誰も触れない」
「あぁ……なるほど」
なかなか腐った体制のようだ。今回はそれで助かったけど、ワイロやら気に入らないから死刑とか悪い事が横行してそうだ。
「さて、私もあまりウロウロしてる場合じゃないのでの」
いつの間にかギルドが見えてきていた。
「エル君は毎回厄介事がないと私を訪ねてこないからの……そろそろヘソを曲げちゃうよ」
ヨルセダがそれだけ言うとギルドの方へ駆けて行った。最後の言葉だけしゃべり方がいつもと違って可愛らしかったような。
1回目!




