46話!
「気に入った!」
ヨルセダが呵々と笑う。突然の大声に笑い声に僕は驚いた。
「そうかい? ありがたいねぇ」
くつくつとゴーディルが笑う。よく笑う人たちだな。
「しょうもないやつならそのまま帰るところじゃったよ、でもこの男のためなら頭を下げられる、更正すれば街のためになる男じゃ」
「そうなの? じゃあ」
「無罪放免は無理じゃが、一生牢屋なんて事は回避する、いやできるだけ早く出れるようにするのじゃ」
ヨルセダが自分の胸をドンと叩いた。頼りになる姿だ。
「よかった」
「……仲間たちもだな? そこは譲れねぇよ」
「大丈夫じゃ」
安心したようにゴーディルが笑う。僕も安心して笑みがこぼれた。
「ありがとな、エル、それとヨルセダさん……返す恩がありすぎて首が回らなくなるのが怖いな、ははっ」
「それじゃあ、そろそろ行くのじゃ、エル君」
「あっ、うん、ゴーディル、また」
僕はゴーディルに手を振る。
「またな」
「話は終わりましたかな?」
騎士団詰め所に戻るとさっきの責任者らしき男が待っていた。その男に体を向けるとヨルセダが頭を下げる。
「申し訳ないがあの男……ゴーディルとその仲間たちの罪を軽くしていただきたい」
「は?! いきなり何を言ってるんですか?!」
顔をあげるとヨルセダがまくしたてるように言う。
「君がここの責任者じゃろ、報告内容を少し変えてほしいのじゃ、無罪放免とは言わん、罪を軽くして……社会貢献をさせるのはどうじゃ?」
「ちょっ、勝手に話を進めないでください!」
だいぶ、ヨルセダは詰め寄って話していた。それに気づいて少し距離を取る。
「というか盗人風情にあなたのような方がどうして」
責任者の男がそう言うとヨルセダがフフッと笑った。そして少し挑発的な視線をする。
「君にはそう見えたんじゃな、そうかそうか、盗人風情か……おぉ怖い」
「は? 怖い?」
責任者の男が意味が分からないという表情をする。その言葉を受けてヨルセダが少し間を開けてから続ける。
「ところで……放蕩息子は厄介じゃな」
「なっ何を言ってるのですか? どういうことですか?」
「ん? 言ってよいのかの? ん? 事が知れ渡れば君の首が物理的に……飛ぶかもしれんぞ」
ニヤリとヨルセダが笑った。責任者の男は顔が青くなっている。
「偉い人というのは放蕩息子にうんざりしている、少しぐらいは反省させたい、しかし可愛い息子じゃ、辛すぎる思いはしてほしくない」
ヨルセダが再度、詰め寄ると責任者の男は後ずさり、椅子に倒れこむように座る。
「直接的な人物ではなく、私がきたという事をよく考えるのじゃよ」
クスリとヨルセダが笑うと責任者の男の肩をポンと叩く。
「君の決断に期待する」
2回目!




