44話!
「それで要件はなんでしょうか?」
ここの責任者らしき人が中から現れてそう言った。
「囚人に会いたい……窃盗団の頭領」
「ゴーディルって名前なんだけど」
ヨルセダが言った後に僕は付け加えるように名前を言う。責任者は目頭を押さえてフーとため息をついた。
「少しの時間ならいいですよ」
その言葉に僕とヨルセダは微笑み合った。それからゴーディルの入れられている牢屋の前まで案内される。
「ゴーディル?」
「おっ、その声は」
牢屋の中で寝ころんでこちらに背中を向けていたゴーディルが僕の声に反応してこっちを向いた。特に消耗してるわけでもなく元気そうだった。
「エル……よく来たな」
「ゴーディル、約束通りにしてる最中だよ」
僕がそう言うとゴーディルが「ははっ」と笑い言った。
「ありがとな……本当に、でも無理するなよ? 悪党助けるなんて約束、自分の立場を危うくしかねないんだ」
「うん、わかってる」
ゴーディルが僕の言葉を聞いて「ならいい」と微笑む。そこで初めて僕のとなりにいたヨルセダに視線が移った。
「それでこの嬢ちゃんは誰だい?」
「ヨルセダじゃ、セレンのギルドの支部長じゃ……エル君に頼まれてここに来た」
「おぉ、大物じゃないか」
ヨルセダの自己紹介を聞いてゴーディルが大げさに驚く。
「エル、すげぇな、こんな大物引っ張り出せるくらいの男だったかい、誇らしいねぇ」
ゴーディルが嬉しそうにそう言うと、ヨルセダに向かって言った。
「エルは良いやつだ、こんなバカな俺の罪を軽くしようとしてる、悪党を助けようとしている事で変な勘繰りはしないでやってくれよ」
「ほぉ、エル君の心配か、どうしてじゃ? そこまで心配する義理はないじゃろう」
「ははっ、男の子はケンカのあとに友情をこしらえるもんさ……まぁ実際ここまで、こんな大物連れてやってきてくれたのに感謝もしてる、この恩は返さなにゃ筋が通らねえさ……だから心配というよりここからできる最大限の恩返しってやつかな」
照れくさそうにゴーディルが言った。僕もなんだか嬉しくなる。そしてヨルセダがその二人の様子を見て、呵々と笑った。
「なんじゃ、本当に友情をこしらえたのじゃな」
「男の子はバカだろう?」
くつくつのゴーディルが笑う。ヨルセダは「そうじゃな」と同意した。
「さて、質問をしたいのじゃが、よいかの?」
「あぁ、その前にこちらも言っておきたいことがあるんだ」
「なんじゃ?」
「罪を軽くしてくれるなら、俺だけじゃなく仲間のも頼む、できないなら減刑はいらねぇ」
2回目!




