40話!
僕にとって頼れる偉い人はヨルセダしかいない。そう思いギルドまで来ていた。本当に何かあるたびにヨルセダを頼ってしまって申し訳ない。しかも今回はかなり無茶を言おうとしてる。気が引けてしまう。
「エル、どうした?」
「いや、ヨルセダは街の有力者だけど、畑違い過ぎて困らせてしまいそう」
「じゃあ頼らなければ?」
僕はネピアに力なく微笑みかける。
「ただの冒険者の発言力だよ? 門前払いだよ」
「頼るしかないなら頼れば」
無表情に淡々と言うネピア。迷ってもしょうがない。結果が変わる訳じゃない。
「行くか」
意を決してギルドに入る。中は冒険者で賑わっていた。ギルド職員はみんな忙しそうに動き回っている。
「誰か……アイマは」
多分アイマ以外の人では取り次いでくれない。ヨルセダは偉い人なのだ。
「ネピア、ちょっと座って待とう」
コクリとネピアが頷くのを見ると僕は談話スペースに向う。空いている椅子を見つけて二人で座る。
「行けばいいのに」
「忙しそうなのに関係ない事頼むんだから空いてる時間に行かないと」
よく分からないという表情をする。
「相手の気持ちと相手の状況を考える……覚えておいて」
ネピアがコクリと頷いた。こういう事を覚えていってもらわないと。
「あっアイマの手があいたみたい」
僕はアイマを見ていたら、受付していた冒険者が離れていった。立ち上がって僕達はアイマの所に行く。
「やぁ」
「……本日は厄介事ですか? 依頼の受領手続き?」
アイマが少し怒った表情で言った。僕は誤魔化す様な表情で笑うとアイマが呆れたようにため息をつく。
「厄介事ね……なに?」
「ヨルセダに取り次いでほしいんだ、頼み事があって」
アイマが「はーい」と席を立つ。僕が「ごめんね」と声をかけた。アイマはそれに対して手を振る。しばらくするとヨルセダが出てきた。
「エル君! 近いうちに呼ぼうと思ってたんじゃ」
「え? どうして?」
「窃盗団の捕縛に貢献したのじゃ、その働きを賞賛したくての、もちろんパーティ全員じゃよ」
ヨルセダが呵呵と笑う。
「それで……厄介事の方じゃな」
「なんかごめんなさい」
僕が謝るとヨルセダが手で制して言った。
「褒美として厄介事の処理の手助けをするのじゃ、気にするな」
「ありがとう」
「それで? なんじゃ?」
「窃盗団の事でお願いが……無罪放免はしなくていいから罪を軽くしてほしいんだ」
ヨルセダが目頭を指で押さえながらはぁとため息をつくと言った。
「場所を変えよう、こっちへ来るのじゃ」
2回目!




