36話!
ゴーディルの剣に黒いオーラが集まって肥大化している。
「俺の最大威力の技だ、エルもおんなじ位の出さねぇと死ぬぞ、出し惜しみはなしだ」
なんとも嬉しそうにゴーディルが笑う。周りにとんでもなく被害がおよぶのでは。みんなに身を守る様に言わなければ。
「ネピア、みんなに……セルカとクレブリアとヴェールに離れるか身を守る様に言って」
『わかった』
何とか足にまとわりつくアンデットを振りほどこうとするけどできない。観念してこの力比べのような最大威力のぶつけ合いをしないといけない。
『言った……わかったって、無理しないでとも』
「わかった、これで心配がなくなったよ、二人で力を合わせよう」
僕はゴーディルを見る。明らかに待ってくれている。強者の余裕。
「俺は結構気に入ってるんだ、お前をな、死ぬなんてつまんねぇ結果は勘弁だぜ?」
そう言うとゴーディルは剣を頭の上に振り上げる。
「魔法陣展開、セーブスペル《雷霆》!」
ほぼ同時だった、僕とゴーディルが技をはなったのが。青白い光と黒い塊がぶつかり小さな爆ぜが複数起こる。せめぎ合い、削りとっていく。
『魔力を注ぎ込んで、ネピアが雷霆を継続させる』
言われたとおり僕は杖に魔力を注ぎ込む。小さな爆発と爆風で周りのテントが吹き飛ばされていく。もう少し強く、もう少し。僕は魔力を更にあげた。その少しの差がお互いの攻撃の均衡を崩す。そして崩れた均衡は大きな爆発を引き起こした。
「うわぁっ」
大きな爆発による爆風は僕を思いっきり背後に吹き飛ばした。何度か地面をバウンドして僕は止まった。
「いったぁぁ」
ギリギリで魔力が尽きて何度目かのバウンドで体を覆っていた魔力がなくなった。そのせいで体中が痛い。それにだいぶ体が重い。
「ネピア、大丈夫だ?」
『大丈夫』
僕は杖で体を支えながら立ち上がるとゴーディルがいた方を見る。ゴーディルは僕と同じように出し切ってしまったようで片膝をついていた。アンデットの剣はもう持っていない。
「相打ちか、嬉しいねぇ、互角のやつはあんまりいないんでね」
ふらふらと立ち上がりながらゴーディルが言った。僕はその言葉を否定する。
「互角じゃないよ、ゴーディルがところどころ手を抜いてたじゃないか」
「ははっ、そんなことしてねぇよ、疑うなよ」
おどけた笑いでごまかそうとしてるけど、そうはいかない。明らかに本気でやられてたら負けてた。
「成長が楽しみってやつさ」
笑いながらゴーディルが僕のそばまでやってくると手を差し出してくる。僕はその手に助けられながら立ち上がった。
「観念しろ!」
いきなりそんな声が聞こえてくる。アジトのエリアの外からのようだ。なんだか戦いとは違う騒がしさ。
2回目!




