31話!
セルカの突きによって男は後ろに吹っ飛ばされた。テントの入り口を開けていたからそこから僕とセルカは飛び出す。完全な不意打ちで窃盗団の面々は硬直していた。ネピアを持っている男以外は。
僕はネピアを持っている男にめがけてサンダーアローを撃ち出す。すでに戦闘態勢になっていた男はサンダーアローをネピアで打ち落とした。
「不意打ち失敗」
僕は憎々しく言うとセルカの声が聞こえた。
「周りの敵は私が! エルさんはネピアさんを取り返してください!」
「ありがとう!」
そのあたりから敵がざわめき動き始めた。僕はネピアを持っている男に向かおうとする。
「あっ」
視界の端に外に向かって走っていこうとするヤツを見つけた。しまった、知らされて戻ってきたらヤバイ。その瞬間、ネピアを持った男が距離をつめてきて、袈裟斬りで攻撃してきた。僕は間一髪、シールドで身を守る。
「よそ見してんなよ!」
男は力任せに上から押し付けてくる。外に向かって行ったヤツを、そう思ってそちらをチラリと見るとクレブリアとヴェールが二人がかりで攻撃して倒していた。
「余裕だなっ! おい!」
いきなりかかっていた重みが消え、軽くなる。押し付けるのをやめ、男が体を反転させながら僕の隣に移動し、僕の背中めがけて、横ナギにネピアを振り抜く。間一髪で僕がしゃがんで避け、そのまま一旦距離をとった。
「なんだお前、誰だ?」
「その杖を取り返しにきた」
「あぁ! なるほどね、ははっ! これほどの杖の持ち主だ、かなりの使い手だろうと思ってたら、なかなか若いねぇ」
男はニヤニヤと笑いながらそう言う。ただ馬鹿にしてるわけでも油断してるわけでもななく、嬉しそうに見える。甘く見てくれれば楽だったのに。そう思いつつ、僕も笑みがこぼれてしまう。
「一応聞くけど、僕の杖だから返してほしい」
「ははっ! 返したほうがあんたの全力を見れて、楽しめそうだが、なかなかこの杖が気に入っちまってねぇ、いい杖だ、返したくないねぇ」
「褒めてくれてありがとう、でもあげる気はないから」
僕はサンダーバーストを手にとどめておく。手加減して勝てる気がしない。
「ところで、名前は? 僕はエル・モア」
「ゴーディルだ、盗人相手に名乗るたぁ、面白い、大概のやつは油断してくれるんだが、これは楽できそうにねぇな」
ゴーディルはくつくつと笑う。
「あと、アンデットを呼び出したのはアンタ?」
「手の内さらしたくはないが……バレてるわなぁ、俺だよ」
つまらなさそうにゴーディルは言った。魔法を使ってくる可能性がある。警戒しないと。
1回目!




