29話!
「侵入って?」
僕がそう聞くとクレブリアが急かすように言った。
「あとで説明するわ、とにかく行くわよ」
僕たち四人はよくわからないまま、アジトに近づいていく。窃盗団の男たちが何人か見えて体をかがめながらひやひやした。
窃盗団のアジトはテントが沢山、たててあって、真ん中にはひと際大きいテントがあった。形的にはサーカスのテントのような感じだ。僕たちはクレブリアの言うままに端の方にある一つの小さいテントに入った。
「これでとりあえず一息つけるわ」
かなり小声だけど、クレブリアが言う。
「大丈夫なんですか? こんな接近して」
「今見つかったらヤバイわ……だからじっと待つの、誰かの接近は私がちゃんと意識してるから大丈夫よ」
クレブリアがちゃんと確認してるなら安心だ。僕は少し緊張を解く。
「でもこれからどうするの? 確実に騒ぎになるよ」
セルカとヴェールも僕の言葉に同意する様にうんうんと頷く。
「騒ぎになって、混乱して、警戒態勢になるわ」
クククとクレブリアが悪い笑みを浮かべて言った。何を考えてるんだろう。
「ちょうどね、混乱したタイミングを狙って、私が遠吠えをするわ」
「え、遠吠え?」
「そう、それでやつらは狼か人狼に襲撃されたと思うわ、狼とか人狼は基本的に群れで行動するから囲まれてると勘違いする、やつらの注意はアジトの外に向く計算よ」
「でも、ここで遠吠えしたらさすがに違和感、感じませんか?」
セルカの言葉に僕も同意した。さすがにアジトから遠吠え聞こえたら、外に対して警戒するかな。
「そこがミソなのよ」
全然意味が分からなかった。どういうことなのか。
「まずあなた達は私を知ってるけど、やつらは私を知らない、遠吠えなんて聞こえたら普通は群れの狼か人狼を連想するのよ」
「あぁそうか」
「それで次に思うのはいつの間にかアジト内に侵入されていると考える、それは排除しないといけない、でも遠吠えで仲間が押し入ってくるのも間違いない」
僕は頭をかしげる。内側への警戒もあったら意味ないような。
「わからないって顔ね、つまりね、外への警戒と内への警戒で戦力が分散するのよ」
「あっ、そうか」
「上手くいけば半分の人を残してあとは外へ出て行くわ」
「じゃあ残った人を倒していて、その後、外に行った人達を倒すの?」
「その通り」
嬉しそうにクレブリアがそう言うと、言葉を続けた。
「拠点を守らないといけないから一番強いのは残るはず、ネピアを持ってるやつじゃないかと思うけど」
1回目!




