20話!
「ヴェール、大丈夫?!」
呼びかけていないと心配で僕はヴェールに声をかけ続ける。ついでにクレブリア達に位置を伝えられる。
「意外と大丈夫だぞ」
ヴェールは力なく笑う。意識を失う様な素振りはない。それでも怪我は怪我だ。安心はできない。
「マスター、みんなきた」
ネピアの声で僕は顔をあげる。真正面からクレブリアとセルカが来ていた。
「ヴェール! 怪我したの?!」
クレブリアがほとんど悲鳴のような声をあげた。
「ごめんなさい、つい自分で何とかしないとって」
「今はいいから、喋らなくていいわ」
「ヴェールをお願い」
僕はクレブリアにヴェールを渡した。
「アンデット倒さないと」
アンデット達は追いかけてきていて、もうそこまで迫っている。
「私がヒールでヴェールを治すわ!」
「ネピア、使うといい」
ネピアがそう言って杖をクレブリアに差し出す。そうか杖を使って回復魔法をかけたらより強くかけれる。
「使わせてもらうわ」
クレブリアが杖を握るとネピアが霧散するように消え、回復魔法をかけ始めた。
「僕達はアンデットの相手だね」
「はい! 私のお披露目の時です」
「あぁ、さっき秘密って言ってた」
「そうです」
返事をした後、セルカが剣を構えると両手が淡く光る。
「あっ、魔力が」
「はい! まだ一部だけしかできませんけど」
「すごい!」
僕がそう言うと嬉しそうにセルカは言った。
「全身まですぐにいって見せますよ」
「ははっ、頼もしいね」
僕がそう笑いかけるとセルカも笑ってアンデットに向かっていく。僕は一度、クレブリアの方を見た。ネピアの補助のおかげかもうヴェールの表情は痛みをこらえているように見えない。
「よかった、あとはアンデットだけ、僕も行くか」
アンデットに向って僕は走っていく。武器が無いから魔法で行くしかない。サンダーアローを使って倒していく。それにしても討ち漏らしたアンデットがいたとして、こんなにも集まってくるんだろうか。アンデットが出て来る条件も知らないから。
その時、背後からクレブリアの悲鳴混じりの声が響いた。アンデットがあっちに行ってしまったか。そう思いつつ、目の前の敵を倒していて、振り向くのが遅れてしまった。
「何するのよ!」
「よこせ! オラ!」
「きゃぁっ」
「クレ姉! 何すんだお前! まて!」
僕は振り向いたがすでに事は終わっていた。何が起こったか分からずクレブリア達に駆けよる。
「何が起こったの?! 大丈夫?」
クレブリアがお腹を押さえ表情を歪めながら応えた。
「ネピアが……連れ去られてしまったわ」
2回目!




