19話!
魔力をまとって音のする方へ僕は走っていく。音が近づいていくごとにはっきり戦っているわかる。セルカの心配が当たってしまった。
「早く行かないと」
だんだんアンデットの姿がちらほら見えてくる。僕は見つけたアンデットを杖で倒して進んだ。
「どこにいるんだ」
焦っているのか耳に集中している魔力がうまく維持できず、うまく場所が特定できない。
『焦るダメ』
「わかってるけどやっぱり」
アンデットはそれほど強くないけど、数も想像より多い。ヴェールが戦って何とかできるとも思えないし、一人じゃ助けもない。最悪死ぬことだってありうる。ほとんどランダムに走り回っているとアンデットが集まっている所がある。
「あそこ、アンデットが集まっている!」
その一団に近づくと地面に倒れこむヴェールが見えた。
「ヴェール!」
その一団はアンデットが八体くらいいる。僕は右手に持った杖を左側に振り上げる。
『ネピアに魔力を送って、そのまま振りぬいて……サンダーバースト』
言われたとおりにしながら杖を左から右に振りぬくと同時にサンダーバーストが前方にはじけて広がった。ヴェールを囲んでいたアンデットは一気に消し飛ぶ。
「ヴェール!」
「あぁ……エル」
「なんで、一人で」
「アタシが招いた……事だから、みんなに迷惑……かけれないぞ」
息も絶え絶えにヴェールが言う。僕がヴェールのわき腹辺りを見ると血が滲んでいる。斬られたらしい。体のいたるところが小さい切り傷もあった。
「クレブリアに言い訳はして……怒られるぞ」
僕は少し微笑むとヴェールも力なく笑った。
「やばい……ぞ」
本当に状況的にヤバイ。周りはアンデットが迫ってきている。僕は回復魔法が使えない。
「ネピアは回復魔法は使える?」
『できない、今はまだマスターが使える魔法と少しそれを応用するくらいしかできない』
ヴェールを抱えて逃げるか。セルカとクレブリアがこっちに向かってる。合流できればヴェールを預けてアンデットを何とかできる。
「ネピア、出てきて」
その声に応じてネピアが現れた。僕は杖を渡すとヴェールを抱き上げる。
「道を開いて……逃げるよ」
ネピアは頷くとアンデットの方へ走っていく。僕もそれに続いた。ネピアはアンデットに向かって僕がさっきやったように横薙ぎに切り裂いて包囲の一部を破った。
「よし、とりあえず抜けた、あとは合流できれば」
クレブリアなら音を聞いてちゃんと見つけてくれる。
1回目!




