22話!
「討伐? どういうことだい?」
ゴーディルがわからないという顔でそう聞いた。
「私たちで個人的に倒しちゃおうという事よ」
「へぇ……なるほどね」
すぐ察したようにゴーディルがニヤリと笑う。
「まぁ、急がなきゃならねぇのは確かだしねぇ」
「じゃあ今から行く?」
「急がないといけないのは確かだけど、さすがにもうダメよ」
もうすぐ暗くなる。ちょっと無理かと僕は思いなおした。
「明日の朝?」
「そうね」
クレブリアが申し訳なさそうにそう言うとセルカに向かって頭を下げて謝る。
「勝手に決めてしまってごめんなさい、アクアアイアンを探すのは後回しになっちゃうけど」
「いえ! 巨大カミツキウサギの方が重要です、優先すべきですよ」
「……ありがとう」
「でもセルカの剣はどうする?」
僕はセルカに聞いてみた。セルカ自身はあまり間に合わせの剣は持ちたくないようだった。気持ちはわかるけど、剣士が討伐に行くのに素手ではまずい気がする。
「素手でいきますか」
おどけてセルカがファイティングポーズをとるとシュッシュッとパンチを繰り出した。
「おぉかっこいいぞ」
ヴェールが一緒になってパンチを繰り出す。チェックメイトがあれば素手でもそれほど変わらないのではないかと僕は少し思ってしまう。
「ネピアがセルカに力貸す?」
「え? でも」
セルカは僕の方をチラリと見る。悪い考えではないと思った。ネピアなら強力なチェックメイトの力を難なく乗せられると思う。それに僕は素手でも問題はない。ゴーディルがいるから攻撃力は充分。僕が遠距離攻撃で援護に回っても問題ない。
「ネピアがそれでいいなら僕は大丈夫だよ……今回は援護射撃するから」
「ハハッ、そういや、エルは万能型だったねぇ、俺と戦った時は素手だった」
くつくつとゴーディルが笑う。クレブリアも「そうだったわね」と思い出したように言った。
「じゃあ、ネピアはしばらくセルカのパートナー」
そう言うとネピアはセルカに握手を求める。セルカもそれに応じてネピアの手を握った。
「これで明日の朝には出発できるわね……明日の朝に南門集合よ」
「じゃあ、俺は仲間に声かけてくるわ……明日な」
ゴーディルが僕たちの輪から離れていく。それを見送ると僕たちは宿に向かって歩き出した。
「今夜、ネピアさんは私と一緒の部屋でもいいですか?」
嬉しそうにセルカがそう言うとネピアが僕の方を見る。僕は頷いて見せた。
2回目!