15話!
「なるほど」
サポーターみたいに魔力で腰を固めちゃうわけだ。僕は魔力を腰の辺りに集中する。全身にやるより部分的の方が消費が少ないし、それほど負担にならない。そのまま僕は作業を続ける。腰への負担が減った。
「ありがとね」
「いえいえ」
魔力の扱いはセルカの方が後輩だったのに、なんだか追い越された様な気がした。
「こちらこそ改めてありがとうございます」
「え?」
「私の剣のためにみんなでこんな風にビショビショになりながら素材を探してくれて」
「あぁ、ぜんぜん」
セルカは律儀だな。僕は少し笑ってしまう。
「えー、なんで今ちょっと笑ったんですか?」
「いや、何でも」
「教えてくださいよぉ」
そう言ってセルカが僕の体をくすぐり始める。
「ちょっ、やめっ」
「じゃあ言ってくださいぃ」
体をよじって僕はなんとかセルカから逃れようとするけど、逃れる事は出来ない。しばらく抵抗したけど観念する声をあげた。
「わかった! 言うから」
「よろしい、言ってください」
「いやぁ、セルカって律儀だなって、思って」
「律儀……ですか?」
キョトンとするセルカに僕は微笑んでいった。
「正直、セルカの剣の素材探しと言いながら楽しんでるし、みんなで遊びながらだし……お礼言われるほど真剣になってないからさ」
「……それでも私はお礼を言いたかったんですよ」
「……そっか」
セルカと僕は不意に見つめ合ってしまい、お互い赤くなってそっぽを向く。するとクレブリアの声が突然、降ってきた。
「何、イチャイチャしてるのよ」
「イチャッ?!」
「イチャイチャなんてしてません!」
セルカの否定の声に僕も同意して「してないよ!」加勢する。
「はたから見ているとそうは見えなかったわ……過剰なスキンシップに顔を赤らめて見つめ合った後、同時に目をそらす、息ぴったりね」
ニヤニヤし始めるクレブリアが何かに気づいたように続ける。
「二人、何かあったわね」
「別に! 何もないけど!」
「別に! 何もないですけど!」
僕とセルカの言葉は綺麗にシンクロした。これ以上ないくらいにぴったりと。それに気づいた僕とセルカは同時に顔を真っ赤にする。
「やっぱり、息ぴったりね……まぁ聞くまでもなかったわ」
それ以上、追及する気はないようでクレブリアは離れて行こうとする。このままではなんとなく悔しいから、僕はクレブリアに向かって言った。
「クレブリアもゴーディルとなんかあったでしょ!」
1回目!