13話!
「単純な興味だよ……なんかセレンって豊かだなと思って」
「そうですね……セレン近辺で住んでる私としてはやっぱりヨルセダさんの存在は大きいです」
「そうなんだぁ」
「領主様よりヨルセダさんの方が信頼できるというか、みんなもそう言ってますし、外から流れてくる人ってみんなヨルセダさんの評判を聞いてここに住みたいとか近辺に住みたいって来るんですよ」
ヨルセダがみんなに人気だというのは前にも聞いた気がするけど、そこまでの影響力があるとは。ヨルセダを慕ってみんながこの街に集まってきているのか。
「すごいですよね、あの歳で」
「どういう経緯であの歳でギルドの支部長になったの?」
「……知らないですね」
セルカが少し考えた後、言った。僕はクレブリアにも聞いたけど「知らないわ」と返された。まぁすごかったんだろうな。
僕たちは小川に来ていた。昼食をワイワイ食べた後、のんびりとしていた。
「食べてから動くとお腹、痛くなっちゃうからね」
僕の言葉にセルカとクレブリアが頷く。視線の先にはヴェールとネピアが水の中に入って、何かをやっていた。魚を追いかけているのか。とても小さい魚がたまに通っていくのが見える。それを一生懸命捕まえようとしているのかもしれない。
「子供は元気だなぁ」
「そうですねぇ、元気です」
僕が呟くとクレブリアが吹き出すして笑った。
「なに?」
「あんた達も子供じゃない」
僕とセルカは一緒になってふくれっ面をした。それを見てクレブリアがさらに笑う。子供っぽいわなんて言っている。僕とセルカは顔を見合わせて、頷き合うと一緒に水の中に入って、クレブリアに向かって水をかけた。
「きゃっ、何するのよ」
小さな悲鳴とともにクレブリアが立ち上がって、小川から離れる。
「えー、なんで離れちゃうんですかぁ」
「そこはやったわねって中に入ってきて、水をかけあうところだと思う」
僕とセルカがブーブー言うとクレブリアが「そういうのは子供のする事よ」と少し離れた所に腰を下ろしてしまった。
「しょうがない」
僕はニヤリと笑って、手を水につけるとセルカに狙いを定めて、思いっきりかけた。
「きゃっ、裏切りましたね?!」
「最初からこういう作戦だったよ」
「騙されました」
そう言ってセルカも素早く水に手を付けると僕に狙いを定めて、水を飛ばしてきた。僕はそれを避けて、さらにセルカへ水をかける。
1回目!