12話!
僕はなるほどと思った。強力な火の魔法でアクアアイアンの剣を包んでいれば、雨が降っても、剣にかかった雨は蒸発する。水の魔法もそれを上回る火の強さなら蒸発できる。まったく濡らさなければ純正のアクアアイアンの剣はその強みを発揮できる。
「お待たせしました」
受付の女の人が戻ってきた。
「アクアアイアンは一番近くでセレンから南西に行ったところの……ヴェデア草原とエカレルフィバの丘の境くらいにある川で発見された事がありますね」
僕はその説明を聞いて、前に行った事のある小川を思い浮かべた。あそこの事だろうか。
「ありがとう」
クレブリアがそう言って受付から離れると僕たちもついて離れる。
「川ってもしかして、前に行ったところ?」
僕はクレブリアにそう聞く。
「えぇ、そうよ、あの小川よ、よかったわ、近くで水辺と言うとあそこしかないから、あそこで見つかった事があるなら、探す価値はあるわ」
「もしかして、みんなでピクニックしたところか!」
ヴェールが嬉しそうに飛び上がる。セルカも嬉しそうに微笑んだ。
「あそこでのピクニック楽しかったですよね」
「そうね……せっかくだからまたピクニックしようかしら、探すついでに」
「いいね!」
僕は賛成すると当然セルカとヴェールも賛成した。
「そういえばネピアは行った事なかったわね」
ネピアは頷いてみせた。実際は僕の記憶を見た時に知っただろうけど。
「ネピアも行く」
「当然です!」
「むしろ行かないと言ってもつれてくわ」
「そうだぞ!」
ネピアは三人の少し勢いに押され少し困った様にするけど、すぐ頷いて微笑んだ。
「じゃあ準備しないとだね」
すでにお昼時な為、到着して遅めのお昼ごはんを食べて、それからアクアアイアンの捜索を始めるというスケジュールだろうか。僕がそれを確認してみるとみんなが同意をしてくれた。
僕たちはギルドを出て露店のある方に向かって移動をする。お昼時だから、混んでるだろうし、人気の物はすぐ無くなってしまう。
「今から迷いますね、何食べようかな」
セルカが僕のとなりに移動してきて言った。セレンにはいろんな物があって飽きない。食べ物の種類も豊富だったりする。どうしてこんなにもいろんな物があるんだろう。
「どうしました?」
「え? あっごめんごめん、考え事」
「どんなです? 悩み事?」
セルカが途端に不安そうな表情になってきて、僕は急いで否定した。
2回目!