13話!
ネピアがさっきと同じ場所に現れる。
「だいたい事態は理解できたわ」
クレブリアが腕を組みながら「でも」と続ける。
「ちょっと急すぎて心がついていけてないわ」
セルカも同意するように頷く。
「ネピア、邪魔?」
「違うわ! そういう意味じゃないの」
「そうです! むしろ歓迎です!」
クレブリアがベッドに腰かけてネピアへ微笑みかけて言う。
「もう少し話しましょう、あなたの事教えてほしいわ」
無表情でネピアが頷くとクレブリアが考えるそぶりを見せる。ネピアの事は全くわからない。教えてもらうのが仲良くなるために一番かも。
「じゃあ……ネピアは魔法の杖なのかしら? 槍にも見えるわ」
「魔法の杖、槍としても使える」
「あぁ、槍として使えるんだ」
魔法を使うまでもない場合にいいかもしれない。
「わかったわ……あと、使用できるのはエルだけ?」
「ネピアは魔道具、誰でも使用できる、魔法の杖を扱える人なら、槍を扱える人なら」
「じゃあ、僕はなんなの?」
少し気になる。マスターと呼んでたし。
「ネピアのマスター、マスターとネピアが最も相性が良い、ネピアを完全に扱えるのはマスターだけ」
「なるほどね」
僕専用の杖というより、僕用に調節された杖。だから僕以外も普通に使える。
「じゃあ、ネピアはあなた自身を、つまり自分の本体である杖を使用できるのかしら」
「できる、ネピアは単独活動できる、魔法も使える」
クレブリアが驚いて「魔法使えるの?」と聞き返す。ネピアは頷いた。自分で魔法が使える杖ってすごいな。でも墓守も魔法なのかわからないけど、アンデット呼び出してたしな。そこでセルカが勢いよく手をあげて聞いた。
「私でも魔法使えるんじゃないですか?」
「魔力をくれればネピアが魔法を使う、魔力なしでもネピアの魔力で魔法使える」
「すごい!」
セルカが嬉しそうに言った。
「アタシも使えるのか?!」
ネピアがヴェールに頷いて見せる。ヴェールが嬉しそうに飛び跳ねてセルカに抱き着くとセルカも抱きしめ返した。
「魔力なしでネピアが魔法使ったら、恰好だけじゃないかしら」
「いいんです、恰好だけでも」
「セルカもヴェールも魔力の練習して、使えるようになったら魔法が使えるじゃん」
僕がそう言うと「将来的にはそうなりたいです」とセルカがなぜか含みのある笑みをした。
「それはとりあえず置いといて、普通の魔法の杖は魔法を強化してくれるけどネピアはどうなのかしら?」
「ネピアは普通の杖の機能に加えて、ネピアの魔力をさらにプラス、あと魔法の使用補助もする」
1回目!