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転生オーライ!  作者: 高岩 唯丑
6:リーダーたるもの先頭に
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1話!

 僕の杖とセルカの剣がぶつかり合って金属音が響いている。エカレルフィバの丘で二人は戦っていた。と言っても特訓としての戦いだけど。


「エルさん! どうですか? そろそろ本番に行きませんか?」


 セルカが攻撃の手を休めず、そう告げてくる。僕も攻撃を受けながら言葉を返した。


「いいよ! 本番行こうか」


 僕たちがやっているのは戦いながら技を出す特訓だった。簡単に言うとセルカの場合、チェックメイトを。僕の場合、晴天の雷鳴を相手の攻撃をしのぎながら発動させる特訓だ。


「セルカ、お先にどうぞ」

「じゃあお言葉に甘え……ッ!」


 僕はセルカが言い終わらないうちに攻撃の速度を上げる。それをうけてセルカがニヤリとしながら、距離を取ろうと後ろに飛んだ。


「そんな簡単じゃないよ! サンダーバースト!」


 セルカの着地を狙って、僕はサンダーバーストを撃ち込む。セルカはそれに対して体を回転させて、その遠心力で剣を振り、サンダーバーストを打ち払った。防がれるのは百も承知。僕は杖を前に突き出して、セルカに突進した。セルカはすぐに斜め右上に剣を振り上げ、僕の杖に振り下ろす。方向をずらされた。剣で打ち払われた勢いを使って僕は柄尻の方でセルカに打撃する。それも剣で受けられるけど、鍔迫り合いの状態に持ち込んだ。


「遠距離技、卑怯です」


 鍔迫り合いをしながら、セルカは頬を膨らませて言った。僕は苦笑を返す。


「卑怯と言われても……どんな敵が相手かわからないし」

「ふふっ、エルさん相変わらず優しい、わざわざ言い訳しなくてもいいのに」


 セルカがニヤリと笑って、スッと後ろに飛ぶ。僕は油断をしていて、体勢を崩してしまった。


「その優しさを利用される事もありますよ……気を付けてくださいね」


 そう言いながらセルカの全身からゆらっと魔力が見えた。あれはスキルの予備動作。僕はすぐにスピードの速いサンダーアローを撃ち出す。


「残念……《チェックメイト》」


 ブワッとセルカの周りに白と黒のオーラが吹き上がり、セルカを包む。そのオーラにサンダーアローは弾かれてかき消された。


「お見事」

「どういたしまして」


 セルカを包んでいたオーラがふわりと薄くなり、セルカの姿が見える。


「……やっぱり」


 僕はセルカの姿を見て呟く。


「はい、やっぱりです」


 セルカも僕の言葉に頷いて言った。


「やっぱり姿が変わりません」


 セルカの姿はいつも通りの姿。以前、マントの男に操られている状態の時のチェックメイトとは全然違った。

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