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転生オーライ!  作者: 高岩 唯丑
5:女王様の言う通り
160/221

46話!

「なっ」


 セルカが一瞬、悲鳴をあげるけど、すぐに表情が変わる。セルカの足元から大量のオーラ吹き出す。体を動かす事は出来なかったらしい。でもそのオーラは壁の様に圧力があり、突きが阻まれる。


『魔力が無くなりそう』


 ネピアの声に僕は少し焦る。届かないのか。それでもセルカのオーラは少しずつ薄くなってきている。僕の方も霹靂かみときが消えかかっている。


『最後の魔力で爆ぜさせる』


 ネピアのその言葉と同時に先細りしていた霹靂かみときが爆ぜた。


「ッ!」


 セルカの声にならない悲鳴が聞こえてオーラの全面が開かれる。僕はその隙間から杖を押し込んでセルカに突きを食らわせた。


「きゃっ」


 セルカは突きによって後ろに吹き飛ばされる。何回か転がって止まる。


「ハァハァハァ」


 僕は息を整えながら構える。セルカが起き上がってくる可能性がある。でもしばらく待ってもセルカは倒れたままだった。僕はセルカに近づいていくと倒れたままセルカがこちらを見た。


「ゲホッ……強いですね、負けました」

「ほとんど……引き分けだよ」


 僕は崩れ落ちる様にセルカの横に倒れた。


「もう動けない」

「奇遇ですね、私もです」


 セルカがニコリと笑うとオーラが体を一瞬、覆って元の姿に戻った。僕の体も崩れる様に光が消えて元の姿に戻った。


「エルもセルカもすげぇな」


 ゴーディルが覗き込むようにして僕たちの顔を見て言った。


「体が動かないから、ゴーディルに迷惑かけるよ、先に謝っとくね……ごめん」

「私も意識が飛びそうです、ご迷惑かけます」

「ははっ、しょうがねぇな、運んでやるよ、気を失ってもいいぜ」


 ゴーディルが心底楽しそうにそう言うとネピアが姿を現してゴーディルと同じように僕らの顔を見る。


「セルカはネピアが運ぶ、男には触らせない」

「あぁ……助かります」

「ははっひでぇな」


 ゴーディルがネピアにそう言っているとセルカが「ふふっ」と笑って、そのまま眠るように意識を失った。


「これで、セルカは目が覚めたら、もとに戻ってるのかな」

「大丈夫さ」

「大丈夫……もしもの時は賢者様の所に行けば、何とかしてくれると思う」

「あぁ、そうだね」


 賢者はとてもすごい人だから何とかしてくれるだろう。知り合えてよかった。心強い味方が出来たと思う。僕は恵まれている。すごい人ばっかりが味方になってくれて。


 僕は浮遊感を感じる。持ち上げられたらしい。ぼやけた視界にセルカが見えた。セルカも少し目が開いていて、微笑んで手を伸ばしてくる。僕はその手を全部の指を絡ませ恋人つなぎの様に握った。

2回目!

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