40話!
「なんか不安になりそう」
「そうかしら……まぁいいわ、行くわよ」
残った人全員がクレブリアの後ろについて移動する。
「どの辺なの?」
「西エリアの辺りよ」
どこかわかってもいまいち位置関係がわからない。
「いまいち分かってなさそうな顔ね……まぁいいわ、ついてくるだけだし」
クスリと笑ったクレブリアがそう言った。そこにゴーディルが近づいてきてクレブリアに声をかける。
「場所の確認が終わったらどうすりゃいい? 固まってるってのは違うだろ」
ニヤリとゴーディルが笑う。確かに固まってたら目立つ。
「そうね……バラけて待つわよ……顔を見られないように気をつけないといけないわね」
ほとんどの仲間がマントの男に顔を見られている。
「この作戦はマントの男を見つけて、追跡して、セルカの所まで案内させる事よ、バレたらセルカのところには行かないでしょうね」
見つかってはダメという事。路地で隠れたりしないと。
「じゃあセルカが一緒だったら、その場で助けていいんだな」
ゴーディルが嬉しそうにそう言った。でもクレブリアが顔をしかめる。
「街中で戦い始めるなんてダメよ、その場合……不意をついてセルカを連れて逃げるの」
「ヤツが追ってこなけりゃ戦えねぇじゃねぇか」
とっても不満そうな表情でゴーディルがブーブーと文句を言う。それを見たクレブリアが呆れたようにため息をつく。
「じゃあゴーディルだけでマントの男が逃げたら追って、追ってきたら足止めして、でも!」
一旦言葉を切るとクレブリアが強めの言葉で続けた。
「街中で戦わない事……いいわね?」
「ははっ、良いぜ……街に迷惑かけるのは不本意だからな」
くつくつとゴーディルが笑うのを見てクレブリアがまた呆れたようにため息をつく。
「心配だわ」
「安心しろよ、俺に任せておけ」
「信じるわよ」
クレブリアが念を押すように言った。
「ところでセルカが一人で来たらどうする?」
「セルカ? なんで連れ去られたセルカが一人で来んだよ」
「操られてる可能性があるからよ」
「あぁ……そういやぁ、妙な魔法みたいなの使ってたぜ」
おでこをパンッと叩いたゴーディルがそう言った。
「あとエルが気になってるのは賢者様の言葉ね……セルカが探してるって」
「そう、すでに自分で脱出してたら……」
「脱出してたらこの街に居ないわよ、今から行く店の周辺にも姿を現さないわ」
2回目!
今年最後٩(๑òωó๑)۶