38話!
宿に戻ってきた僕らは各自自分の部屋に行った。
「いよいよ明日だね」
「うん」
僕はネピアに興奮気味に言った。もうすぐセルカの事を取り戻せるかもしれない。そう思うと気持ちが高ぶる。
「新技の特訓する?」
「うん、そうだね」
明日までには完璧に出来なくても完成はさせたい。早速、ネピアの杖を持って構える。
「かなりいい感じになってきてるからね、もうすぐ」
実は合間を見て新技の練習をしていた。そんなに沢山の時間は取れなかったけど気持ち的にやらないとという感じだったから、成果が大きくなった。
『不滅魔法兵の使い方が大胆』
「でもいい事、思いついたと思わない?」
『いいアイディアだと思う』
「不滅魔法兵のデメリットは消える、メリットも消えちゃうけど……ただ新たなメリットが生まれてる」
『確かに』
方法性が決まったおかげできっと短い時間でも成果が出たんだと思う。
「まずは人形にして……」
僕とネピアは新技の特訓に励む。しばらく集中して特訓したあと休憩をとる。
『不滅魔法兵のデザインは決まったの?』
「あぁ……ちょっと考え中、大体は決まったけど」
『そろそろ決めて……今日中に完成させるならその辺のイメージ反映させないと』
ネピアの言葉に僕は少し考える。ネピアが姿を現してベッドに腰掛けた。
「エル、座って考えたら」
「あっ、うん」
ネピアの隣に座った僕は頭の中にイメージを膨らませていく。鎧を着てる感じで、でもガッツリしたものじゃない。
「……決まった……かな」
まずは黒い服にフードをかぶっている状態。ズボンもダボッとした黒色。それで鎧のブーツをはいててズボンがブーツの中に入れられてて、膝下あたりから上はダボッとしたまま。上半身の鎧は胸のあたりだけでお腹の辺りの黒い服は見えてる。鎧の肩部分は左肩だけあって、かっこいい感じの模様が入っている。篭手もつけてる。腰にはボロボロな感じの腰布がついてて、腰布はサイドと後ろだけ。鎧の色は暗めのシルバーだ。
「よし! イメージできた」
「わかった」
ネピアがそう言って姿を消す。僕は早速、魔力で人形を作る時、さっきのイメージを反映する。そして、鎧の部分はシールドにしておく。
『魔法で固定する』
ネピアがサポートしてくれた魔法でその人形を固定した。このあと魔力を注ぎ込んで魔力密度を高めていく。この工程で注ぎ込んだ魔力の量で不滅魔法兵の強さが決まる。ありったけの魔力を注いだ。
2回目!