37話!
せっかく人数が集まったという事で聞き込みは手分けしてやることになった。僕とクレブリア、ヴェール、ネピアがそのままのメンバーでゴーディル隊がバラけて店に聞いて回った。人数がいたおかげで暗くなる頃には街のほとんどの店を制覇していた。
「いいわ……いいわよ、情報が集まって、パターンが読めてきたわ」
「どんなパターン?」
「数日に一軒、街を回るように必要な物を買ってるわ」
「すごい! そのパターンにそえば捕捉できるかも」
周りで男たちがざわざわと歓喜にも似た声をあげる。するとクレブリアは指を口の前で立てて「静かに」と注意する。どこでマントの男が見てるかわからない。しかも僕たちは通りの端でこんな話をしていた。
「次のエリアはだいたい予想がついたわ、明日は張り込んでマントの男を待つわよ……東西南北の門に二人一組で立って、あとは私たちとそのエリア付近にばらけて待つ、もしも予想が外れてもそれらしい人間が門を通ったら尾行して」
「わかったぜぇ……やっと汚名返上の機会がくるか、ははっ、燃えるねぇ」
「いきなり襲いかかるなんてしないでよ……セルカの救出が最優先」
「ちゃぁんとわかってるぜ、助けた後だ」
「よろしい」
クレブリアがそう言うと言葉を続けた。
「じゃあ今日は解散よ、各自明日に備えて」
おう、という返事をした後、各自がばらけてその場を離れていく。
「私たちも宿に帰りましょう」
「その前に……明日だけど、アタシが街の中を動き回って確認しておくか?」
宿に向かって歩き出していた僕たちにヴェールが聞く。クレブリアが代表する様に答えた。
「そうね、アジトが街の中にあった時の事、考えるとそうした方がいいかもしれないわ」
「やっぱりアジトは中も外もありえるんだ」
「えぇ、それはどうしても予想はできないのよね」
少し申し訳なさそうにクレブリアが言った。でもそれを予想できるヒントみたいな情報は今の所出ていない。
「本当はもっといろんな人に話を聞けたら予想できたかもしれないけど、それだけの時間はないわ」
「商人に絞って話を聞いたおかげで有力な情報が入ったんだ、大手柄だよ、クレブリアは」
「そう?」
嬉しそうに笑うとクレブリアが言った。
「セルカの所までたどり着いたらそのあと私は役に立たない、そこからはエルが大手柄をたてる番よ」
「役に立たないって」
「実際そうじゃない」
「卑屈は良くないよ」
1回目!