27話!
聞き込み、情報収集を終えて昼前に集合した。やっぱり有益な情報は見つからず、セルカも見つからなかった。
「占い通りと思えば喜ばしいけど、見つからないっていうのは辛い」
「そうね……信じて進むわよ」
クレブリアが僕の背中をポンッと軽く叩く。
「さて、じゃあ行くわよ」
僕たちはヴァルツゴへ向かうため、運輸屋という所に行く事になり向かう。
「運輸屋ってなに?」
てっきり貸馬屋とかそういう感じの所に行くのかと思った僕はクレブリアにそう聞く。
「言葉のままよ」
「言葉のままがわかりません、バカですみません」
「素直でよろしい……運輸っていうのは人や貨物を運ぶことよ、つまりここで言う運輸屋は馬車を運用管理してる商人ね、交渉次第で馬だけ貸してもらう事も出来るわ、一部に需要があるから遠駆け用の馬も数頭用意してるところがほとんどね」
「へぇ、何でも商売にしちゃうんだね」
「そうよ、何でも商売できちゃうわよ……エルも何か思いついたらやってみたらいいのよ」
クレブリアが嬉しそうに言った。僕は顔を横にビュンビュンと振る。
「無理だよ、それは、クレブリアは何か思いつかないの?」
「うーん、別に……大変そうだし」
できないというのが理由ではないのがクレブリアのすごいところだと思う。何かしらの案は思いついてるのかもしれない。
「着いたわ、ここよ」
たどり着いたそこは建物の横に馬小屋がくっついて建っている、ちょっと大きめの施設だった。
「こんなとこあったんだ、知らなかった」
「馬がいっぱいいるぞ」
ヴェールが嬉しそうにはしゃぐ。僕もはしゃいでしまいそうなのをグッとこらえた。
「馬」
ネピアもいまいち表情に出ていないが興奮しているようだ。馬の言い方がちょっと強めだった。
「馬くらいで大げさね、行くわよ」
建物の中に入ると横長な受付があり、職員が数人並んでいる。特に受付が別れているようでもなく適当に空いている受付に行く。
「いらっしゃいませ、ご用件は?」
受付の女の人は笑顔でそう言う。クレブリアが代表してその問いに答えた。
「ヴァルツゴへ行きたいのだけど、早めに着きたいから馬だけ貸してほしいのだけど」
「はい、かしこまりました……三頭でよろしいですね」
受付の女の人は明らかにヴェールを数から抜いたと思う。それを感じ取ったらしいヴェールが言い放つ。
「四頭だぞ!」
それを聞いた受付の女の人はニッコリと笑ってヴェールに向って言った。
「お嬢ちゃんはお姉さんかお兄さんと一緒にね」
1回目!