表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生オーライ!  作者: 高岩 唯丑
5:女王様の言う通り
140/221

26話!

「そう……うん、わかった」


 ネピアはそのまま特に表情を変えることなく言った。僕の押し付けなんだろうか。道具として生まれたネピアに人間として生きろなんて。勝手に幸せを押し付けていただろうか。


「エル……二人来た」


 ネピアのその言葉で僕は前を見た。クレブリアとヴェールがこちらに向かって歩いてくる。


「おはよう」

「おはようだぞ」

「おはよう、待たせちゃったかしら」


 それぞれが挨拶を交わした。


「そんなに待ってないよ……さぁ行こうか」


 僕が立ち上がるとネピアも合わせて立ち上がった。


「ところでヴァルツゴって近いの?」


 僕がそう聞くとクレブリアが答える。


「歩いて行けば丸一日らしいわよ、馬を借りて半日」

「え? 馬? 馬車じゃなくて?」

「馬車だと半日じゃつかないわ、昼に出発すると夜につかないのよ」


 荷台を引いてる分、馬車の方が時間がかかる。馬に乗っていけば一番早いという事だ。


「もともと馬で行けばいいと思ってたのよ、レガルは確認程度だけど、できるだけ長くと思ってたから」


 予定通りに行くべきなら、馬を借りて行ったほうがいいという事。ただちょっと乗れるか心配だった。練習する時間がいるかも。


「馬乗りたいぞ!」

「ネピアも興味ある」


 ヴェールとネピアがそう言って、僕とクレブリアは吹き出してしまう。


「なっ、なんだよ!」

「いえ……別に何にもないわよ」

「僕も馬は気になるから、馬がいいかな」


 僕とクレブリアは少し笑いが残った状態でそう言うとヴェールが口を尖らせて言う。


「なんだよ」

「何でもないよ」


 僕が頭を撫でるとヴェールは頬を膨らませてちょっと怒る。乗れるか心配だったのがちょっと恥ずかしい。


「ネピアも興味あるんだね」


 僕がそう聞くとネピアが頷いて答えた。


「なんていうか、エルの記憶の中で乗ってる記憶あって」

「え? そうだっけ?」


 全然記憶にないけど。僕は頭をかしげて必死で思い出そうとする。


「エル、小っちゃかった、部屋以外の唯一の記憶」

「あぁそうか……馬に乗ったんだ」


 牧場みたいなところに子供の頃行った記憶はかすかにある。その時、乗馬体験をやったんだと思う。


「エルは小さいときに乗っただけかしら?」

「うん、みたい、記憶ないんだけど」


 最近、記憶喪失の設定をつい忘れてしまいそうになる。嘘ついてる手前、一応つき通そうと思ってるけど。そこにネピアが付け加える様に言った。


「ネピアが誕生した時、エルの記憶の断片を見た、それで」

「なるほど、そういう事なのね」

2回目!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ