20話!
「でもどうしてふみゃつ……不滅魔法兵を?」
賢者は不思議そうにそう言う。
「それは分からないの?」
「全部はわかりません」
「そっか……新技の参考にしようと思ってね」
別に隠す必要もないので僕は自分の思っている事を話す。
「鍛えていくのはやめないけど、その鍛えた強さに強力な魔法を上乗せしてさらに強くなれればと思って」
「それで不滅魔法兵に目をつけたのですね」
嬉しそうに考える素振りをする賢者を見て、クレブリアに根っこが似ていると思う。考える事が好きか自然と考える行動を取れるんだと思う。
「どの様なプランで考えてますか?」
「あっそこまではまだ……教えてもらってからかな」
「あっそうですね、あしぇり……焦りすぎました」
いけないいけないと賢者は自分の頭をさする。
「まずは教えるところからいきましょう」
嬉しそうに賢者が言うとクレブリアが手を上げて疑問を口に出す。
「どれくらいかかるのかしら? 私達それのために来たわけではないから」
「聞いといてこんな事言うのも悪いんだけど僕達は人を探してて」
「なるほど……では紙に書いて渡しましょう、そりぇ……それで分からないところは聞きに来てもらえれば」
「ありがとう! 助かるよ!」
賢者がいい人でよかった。押しかけて教えてと言っておいて時間はないなんて、こんなわがまま言ってるのに良くしてくれて。僕は賢者の手を握ってブンブンと上下に振った。
「あわわわわ、いいのですよぉ」
僕はやり過ぎたと手を離すと手遅れだったらしく賢者は目を回していた。
「あぁごめん!」
「何してるんだぁ」
ヴェールが素早く賢者に近づいて体を支える。
「ヒドイわね」
クレブリアも賢者のそばに行くと体を支えた。
「だいじゅ……大丈夫です」
すぐに回復した賢者がへらぁと笑って両手を左右に振る。
「それならいいけど」
「心配なさらじゅ……なさらず、それでは早速、不滅魔法兵について紙に書いちゃいましょう」
そう言って賢者が僕達から少し距離を取ると両手のひらを上に向けて体の前に保持する。
「魔法陣展開、クリエイトスペル《知識を本に》」
賢者の足元に魔法陣が広がり、その後、手のひらの上に小さい魔法陣が現れる。そして、そこに本のカバーが最初に出現し、ページがめくれるようにして、一枚ずつページができていく。そして、最後にパタンと本が閉じて、魔法陣も消えた。
「ただの紙に書くのもあじゃ……味気ないので本にしてみました」
2回目!