16話!
レガルに到着した僕達は部屋を確保する為に宿へ向かった。
「よかったね、部屋があって」
「えぇ、そうね」
暗くなる前に着いたおかげで少し時間できた。
「セルカの手がかりを探そうか」
「今日はもう探さないわよ」
「え? 時間あるし、少しでも早く取りかかったほうが、次の街もあるし」
「ここではそんなに可能性が高くないから、明日の朝、確認程度探して次の街で詳細に探すわ」
「そっか」
僕ががっかりした表情をするとクレブリアが僕の肩をポンと手を置く。
「賢者様のところに行くわよ」
クレブリアの目が輝いている。行きたいばっかりか。
「賢者様のところか、気になるぞ!」
ヴェールも目を輝かせている。
「エルが行きたいって言ってたのよ、ほら行くわよ、案内して」
ほとんど引っ張られるように僕は進んでいく。しばらくメモを見ながら歩いていると該当の建物を見つけた。何度か通った事がある。
「魔道具店ね」
「ここの店主が賢者なのか、それっぽいぞ」
「賢者って魔道具屋を営んでるイメージだよね」
物凄く怪しい感じの店でどうやって稼いでいるのかってぐらいの場所でというイメージ。
「入ろうか」
僕はみんながコクリと頷くのを確認すると店に入る。
「おぉ……おお?」
店内はとても明るい感じだった。イメージと真反対だ。店を間違えたんだろうか。
「普通の店よね」
「普通だね」
「ぽくない」
ネピアの言葉をヴェールが繰り返す。
「イメージだけで勝手に決めつけてたらいけないわ、店主に話を聞きましょう」
クレブリアがそう言って、店の奥に進んでいく。店主はどこに居るんだろう。見つからない。不在なんだろうか。
「いないね」
「どこよ」
僕達がそう言いながら「どうする」と相談しているとどこからかゴソリと動く音がする。
「え? なんの音?」
「店主?」
よく音を聞いてみると、机がある方から音がする。
「あの机から聞こえるね」
近づいてみると机の死角から聞こえる。僕はそちらに声をかけてみた。
「すみませーん、店主さんですか?」
声をかけてから気づいたけどもし、泥棒だったらどうしようか。もしそうならとてもめんどくさい事になってしまう。姿の見えない店主に泥棒。もう嫌な想像しかわかない。
「クレブリア、泥棒の可能性ない?」
僕が小声でそう言うと「私もそれ思ったわ」とクレブリアが応える。僕はネピアに目配せすると机を僕とネピアではさむように立つと少しづつ距離を縮める。
2回目!