15話!
「違うと感じてるのね」
「……うん、なんか違う」
「セルカの言う騎士とは違うわね」
「やっぱりそうだよね」
「えぇ、自称だと精神的でしかない、セルカの言う騎士は職業的な騎士ね、たぶん」
クレブリアが少し自信のなさそうに言う。でも僕もそういう印象を受けている。それほど間違いというわけではないと思う。
「そうなると自称騎士団は論外ね、次に実現しやすそうなのがお金持ちになって騎士団を作る、ボディガードとか用心棒のたぐいね」
「お金持ちというのが難しいよね」
「まぁ……それにこのタイプもセルカの言う事からズレてると思うわ」
指を二本立ててクレブリアが言う。
「だから二つパターンがあるわ」
「なに?」
「一つはこの国を出て他所で国を作って、王国騎士団を作る」
「え?! 国って」
「国は簡単よ、誰かに届け出るわけじゃないから勝手に宣言すれば、それで国よ、あとはその土地に住む国民が認めてくれれば」
簡単なんかじゃない。国なんてそう簡単じゃない。
「もう一つを……こっちの方が実現度が高いと思う」
勿体ぶる様にクレブリアがする。なんだろうか。
「もう一つは領地を貰って、騎士団を作るね」
「領地って……それも難しいよ」
「実現は可能よ……強い国と思わせるために国境付近に領主が集まってるけど、内部は空白地の多い国だもの」
「空白地?」
「誰もおさめていない、人も住んでいない土地……国の広さに対して人が少ないのよ、この国って」
そうなんだ。おさめていない所があるなんて。セレン周辺しか知らないからかな。
「だから領地を貰うのは難しくない、誰かが誰もいない土地を開拓して豊かにすれば国にとっても人々にとっても嬉しい事だからね」
「でも普通の身分の人がそれは」
「大変だわ、でも身分をもらう事もできる」
「貰えるものなの?!」
クレブリアが頷いて続ける。
「そう、正真正銘の貴族は最初から身分を持ってる、でも国にとって有益な事をしたら普通の人も身分はもらえる場合がある」
「有益って商人がすっごい利益を生んで国が豊かになったとか」
「それもありよね、今、戦争はないけどそういうので英雄になったりも身分がもらえる、国にとっての脅威を阻止したとか……もっと簡単な物でいいんだけどね」
そういう事でもらえてしまうんだ。でもたぶん王様が任命するからその王様の加減でもらえたり、もらえなかったりするんだろう。
1回目!