13話!
ヨルセダはメモに何かを書き込み、一枚破りながら言った。
「申し訳ないのじゃが、私は知らないのじゃ……じゃが知ってそうな人物はおる、ちょうどレガルにいるから訪ねるとよい」
書き終わったメモを椅子から立ち上がったヨルセダが僕の方まで持ってきてくれる。
「ここに行ってみてくれ、ちなみに名前はわからん」
「え? 名前がわからないの?」
「名前を教えるのは危険じゃと訳の分からんことを言う変人じゃ、まぁ賢者というあだ名で通っておるから大丈夫じゃ」
「へぇ、賢者か」
「見た目は爺さんじゃ、すぐわかる」
見た目が爺さんで賢者ってなんだか想像がすごいできる。白髪でヒゲが生えてて、白い布みたいな服を着ていて、節くれた杖を持ってる感じ。ヨルセダからメモを受け取ると僕は丁寧に懐へとしまう。
「ありがとう」
「いや……いいんじゃよ、セルカ君を連れて帰ってくるんじゃよ、ましてやまた一人減って帰ってくるなんてそんな事嫌じゃからな」
「うん、大丈夫、絶対セルカと全員で帰ってくるから」
ヨルセダに僕は笑顔を見せて言った。
ギルドをあとにした僕らは北門に向かっていた。
「不滅魔法兵についてわかりそう」
「うん、賢者の所に行って聞けばわかるよ、何せ賢者だからね」
これで不滅魔法兵についてはわかるだろう。あとはそれを参考に新技を作る。ブースト系の魔法がはっきり言ってほしい。
「頑張ろう、マントの男に勝たないとだし」
新技についていろいろ考えながら僕は北門に向かう。考え事をしているといつの間にか北門付近までたどり着いていた。
「意外と早かったわね」
僕たちが行くとクレブリアとヴェールが待っていた。
「不滅魔法兵については聞けたのかしら?」
「いや、ヨルセダは知らないって」
「あら、そうなのね……どうするの?」
「だから知ってそうな人を紹介してくれた、レガルにいる人で賢者って呼ばれているお爺さん」
賢者と聞いて、クレブリアの目が輝いた気がした。
「賢者、それはぜひ話を聞いてみたいわね、賢い者って事でしょう」
クレブリアが楽しみといった感じでウキウキしたように歩き出した。
「やっぱり、そう言う人のしゃべってみたいの?」
僕たちもクレブリアのあとを追うように歩き出して、門の外に出て行く。
「英知と経験の持ち主よ、知的好奇心がバシバシ刺激されるわ、知らない事を教えてもらえる機会なんだから、会話したいわ」
1回目!