11話!
遠くの方で街の喧騒が聞こえる。いつも通り賑わってるのだろう。遠くの方で聞こえていた音が不意に近づいてきて、僕は目を覚ました。外はまだ明るい、夜まで寝てしまうという事は避けられた。僕は少しホッとする。
しばらく寝転んだままぼうっとしていると次第に体の感覚が戻ってくる。すると左手に温かくしっとりとした何かが当たっているのがわかる。
「あぁネピア?」
「なに?」
「なんで裸なの?」
僕はネピアの方を見ないで言った。
「どうして裸だと思うの?」
「いや、パターンと手の感触で」
「毎回、裸なんて芸がない」
「じゃあ裸じゃないの?」
「確認してみればいい」
なんだろう。そこまで言うなら何か別の衣装だろうか。僕は気になってネピアの方を見る。
「裸じゃん!」
「嬉しいかと思って」
「嬉しくない! 服来て!」
「ヒドイ、女に恥かかせる気? 思い切って肌を見せたのに、嬉しくないなんて」
どこでこういうの覚えてくるのだろうか。僕が反応しないように背中を向けていると諦めたのか、服を着た姿で僕の正面に現れた。
「簡単に裸を男に見せないの」
「他の人には見せない」
ネピアは特に何事もなさそうにそう言う。僕は不覚にもドキリとしてしまった。
「僕だけでも簡単に見せないの」
「約束はできない」
「もぉ……クレブリアって何か言ってた?」
「うん……起きたら私の部屋に来てって」
寝てる間に訪ねて来たらしい。毎度、僕は相当深く睡眠してるみたいで誰か来ても気づかない。寝込み襲われたらヤバイな。
「わかった、とりあえずクレブリアの部屋に行こう」
部屋を出て、クレブリアの部屋のドアをノックする。中から声がして、招き入れられた。
「うん、顔が戻ったわね」
クレブリアが僕の顔を見て言う。
「そんなにヒドイ顔してた?」
「えぇ、してたわ、疲れと睡眠不足の顔」
「アタシでもわかったくらいだぞ」
「そんなにか……心配かけてごめん」
頭を軽く下げると僕はクレブリアに聞きたい事を聞いた。
「教えてほしいんだけど、不滅魔法兵の魔法ってどうやるの?」
「え……知らないわ」
「そっかぁ」
クレブリアが知らないという事はかなり深く調べないとわからないってことか。
「というかどうしてかしら?」
「まぁ、ちょっと、気になってね」
「そう……ヨルセダなら知ってるかもしれないわ」
「そういえばヨルセダが教えてくれたんだもんね……ヨルセダの所に寄っていい?」
1回目!