8話!
「まぁ無茶するのもたまにはいいさ」
ゴーディルがそんな事を言ったあたりでちょうどヨルセダ達が入ってきた。
「揃っておるな」
その声に皆が引き締まった表情をした。
「まずはヨルセダにお礼を言うわ、私達のためにギルドが協力してくれてる……ありがとうございます」
クレブリアがヨルセダに頭を下げたのを見て僕達も頭を下げる。
「よいのじゃよ……あまり時間が取れんでの早速、始めよう、マントの男及びセルカの行方、目撃情報じゃ」
ヨルセダの呼びかけにゴーディルが手を上げる。
「俺の所は収穫なしだ、調査に行った所でマントの男の手口に似た事案だったら、深めに調査していった、だが何も見つからず」
無念という感情が滲み出るような声だった。
「デークの方もおんなじ様なもんじゃ……ギルドの方はこんな感じじゃ、申し訳ない」
「いいんだよ、いつもありがとう……次は僕が」
ヨルセダが頭を下げかけたから僕が遮るようにそう言う。
「レガルの方で各地を転々としている冒険者に聞いてみたけどダメだった」
マントの男の方はそういう格好の人はたまに居るせいで実際に僕が見たマントの男かわからない。そのせいで信憑性が低い情報しかない。セルカにいたっては皆無だ。
「クレブリアは?」
僕は望みをかけるように聞いた。毎度クレブリアが解決の糸口を見つけてくれる。皆も同じ様で期待の眼差しをクレブリアに送る。
「私はね、さすがに見つからなすぎると思っていたの、人間なんだから最低限、食べ物を食べなきゃ死んじゃうって、だから出歩くことがあるはずなのよ、どこかで自給自足の生活か、野生動物みたいな生活してなきゃね」
「じゃあ自給自足? 野生動物はちょっと無理そうだし」
僕が聞くとクレブリアが微笑んだ。当たりだろうか。
「野生動物もないとは言い切れないから、最終的に検討するわ、でも自給自足の件の前に……まだ続きがあるのよ」
人差し指を立ててクレブリアが続ける。
「もし私だったらどうするか考えたのよ、街中を堂々と歩いても目撃情報としてあがらない方法」
「そんなのあるの?!」
「意外と簡単な話よ」
ウィンクをしたクレブリアが言った。
「セルカは言わずと知れた特徴的な服装でしょう? 白と黒に異様にこだわってる、マントの男もそうよ、マントっていう特徴に皆が囚われてる」
「それってつまりどういう事?」
微笑んで勿体ぶるクレブリアがやっと口を開いた。
2回目!