5話!
人狼討伐を終えて、僕はため息をついた。全員に合間を見て話をしてみたものの、セルカの情報は得られなかった。こうなると監禁されている可能性が高いのではと思えてくる。さらっていった時から誰にも見られない様に気をつけて、監禁場所についたらそれ以降、セルカを外に出していなかったら情報もないんじゃないか。
「エル、今日どうする?」
「あっ……うん」
深く考えててネピアの話を聞いてなかった。
「ごめん、どうするって何を?」
「もう夕方だけど帰る? 泊まる?」
明日朝イチでみんな集合して会合を開く予定だ。レガルには少し時間もあるし、もう一回、情報を集めに来てみようと思って来ただけだ。
「戻るよ、会合があるからね」
「わかった」
僕達はギルドから出て、セレンに向って歩き出す。さっきの依頼料を僕は無限金庫にしまいながらポツリとつぶやく。
「お金結構溜まったし、馬か何か移動手段を買おうかな」
セレンからレガルには歩いていける距離だけど、セレンからドサバは遠い。移動手段が徒歩か、馬車をお金払って乗っても時間がかかる。
「マントの男が乗っていた馬なら遠くに早く行ける」
「でも高いですよね」
魔力が使える馬はまず間違いなく貴族が独占している。だからレアな馬に加えて、たまにしか出回らないから高騰している。
「他の移動手段ってないかな」
「知らない」
「空飛ぶ魔法とか……空飛ぶモンスターとか自前で捕まえて乗れるようにするとか」
この世界で魔法使いが箒で飛んでるところを見ない。空を飛んでるのも見ない。モンスターに乗って飛んでる人も見ない。
「何やっても自由」
ちょっとそっけない感じでネピアが言った。確かに何をするか自由だし。もしかしたらサモンズスペルで何か呼び出せるかも。
「ドラゴンに乗れたらカッコイイ」
口笛吹いたらドラゴンが来て、背中に乗って飛び立つ。なかなか心躍る。
「まぁでも難しいだろうな」
ドラゴンはレアなモンスターだというのをクレブリアから聞いた気がする。
僕達は街の外に出る門まで来て、外に出た。
「暗くなる前に到着しないとだから……それに体鍛えないと」
ネピアは僕の言葉で杖を差し出して、受け取ると姿が消える。そして僕は魔力を一切使わずに走り出した。マントの男に言われた事はとっても癪だけど一理あるので、最近はできるだけ魔力を使わずに長距離走ったりしている。
「強くならないと」
1回目!