2話!
ギルドはそれなりに賑わっていた。レガルはセレンより少し街が大きいらしい。実感はないけど、ギルドに集まる冒険者が心なしかセレンより多い気はする。僕は見知った顔になりつつある職員に軽く挨拶をしながら、依頼書が貼ってある所に言った。
「エル、今日はどんな依頼?」
「やっぱり人狼の討伐かな」
今みたいな生活をするようになって初めて人狼がここの辺りにしかいないモンスターと知った。セレンとレガル周辺にいて、ドサバ周辺にはたまに出るらしい。だからこそ、その革などはほかの地域に持っていくと高く売れる。だからフットワークの軽い冒険者はギルドの依頼を二重に受けるそうだ。他の地域で人狼の革をほしがる依頼を受け、こっちの方に来て、人狼討伐の依頼を達成して、革を得て、その革を持って帰ってさらに依頼を達成する。そうやって各地を転々としている冒険者が結構いるらしい。
「人狼の討伐の依頼……クレブリアの事思うと受けづらい」
「うん、クレブリアは自分はもう人間で犬っころの仲間じゃなくて、あなた達の仲間よって言ってたけど……やっぱりね」
今まで人狼の討伐の依頼は意識的に避けていた。みんなで一つの依頼を受ける時は誰も候補にあげない。それをクレブリアは感じ取って前にそう言ったのだ。でも今はこの依頼が一番いい。僕は依頼書にギルド登録証をかざしてから受付に行った。
「こんにちは、どのような用件で?」
「この依頼のメンバー探してる人いるかな?」
登録証を差し出しながら、僕がそう聞くと受付の職員が「確認します」と登録証を持って裏へ入って行った。
「誰かいるかな」
「いなかったら待てばいいよ」
ネピアのつぶやきに僕はそう答える。依頼の達成が目的じゃないから待つのもありだ。
「待つよりほかの探した方が」
「あぁそれもありかな」
いいところでうまく切り替えていかないと効率が悪い。これ以上時間をかけたくない。すぐにでもセルカを助けに行きたいのだ。
「お待たせしました……いましたよ、メンバー探している方」
「そうなんだ」
僕は笑顔になると後ろにいるネピアにウィンクしてから切り出す。
「それってバラバラの人たち? もとからチームでそこにお邪魔する感じ?」
「全員バラバラのようですね」
「人数は?」
「四名です……どうしますか?」
「参加するよ」
「わかりました……しばらくお待ちください、そちらのメンバーの方に確認するために呼びますので」
2回目!