50話!
結局僕は押し切られて探すのをあきらめて休むことになった。傷つけないといっていた事を信じるしかない。馬車が来る期日までしっかり休むとそれから馬車に揺られて、来た逆の行程を進んだ。
「やっと、セレンに着いたわね」
とても長い時間、離れてたような感覚を感じる。いろいろあっただろうか。
「ところでゴーディルはこれからどうするのかしら? セレンを出る前にヨルセダに言われたでしょ?」
「あぁ……足を洗うつもりさ、メンバー全員の意思は確認した、だからギルドには行くぜ、ただ、セルカの事を俺たちも一緒に捜索したいと伝えるつもりだ」
「ゴーディル……! ありがとう」
「いんや、礼を言われる事ではないぜ、俺の責任でもあるからな」
ゴーディルが僕の背中をバンッと叩いた。とてもありがたい。ゴーディルのメンバーが捜索に加わってくれれば人数が大幅に増えて、かなり助かる。
「捜索ならアタシが大活躍だぞ」
「うん、ありがとう、期待してるからね」
僕はヴェールの頭を撫でながらそう言う。みんなが協力してくれれば、きっと見つかる。
「よかったわ、どうやって探そうか悩んでたのよ、私たちだけじゃ何ともならないって、人数的な問題ね」
「ははっ、よかったぜ、ぜってぇ、見つけよう」
男たちの野太い声が重なって響く。とても心強い響きだ。
「さぁ、まずはギルドに、ヨルセダに報告に行くわよ」
「そうだね」
「上手くいけばヨルセダも協力してくれるわ」
ヨルセダの力が加われば本当にすぐ見つかるかもしれない。
ギルドまで戻ってきた僕たちをヨルセダは迎えてくれた。ドサバでも用意してもらったような大きな部屋に全員通される。
「話は聞いている……じゃがすまないが先に今回の依頼の話からじゃ」
大きい声でそう言うとヨルセダが頭を下げた。
「ありがとうなのじゃ」
「いや! 当然の事したまでで」
僕の言葉に顔をあげたヨルセダが微笑む。
「私も当然の事をしたまでじゃよ……ゴーストはすべて去ったそうじゃ、村人も無事今まで通りの生活に戻れた」
「それはよかったわ」
「うむ、今回のスケルトンの剣でゴーストを攻撃可能な事実はすべてのギルド支部を通して公表される事になったのじゃ、君らの名前も一緒にな」
ヨルセダの言葉にみんなが驚く。
「僕らの名前?!」
「当り前じゃ、発見者の名前の発表は普通じゃろ……有名人じゃな」
呵々とヨルセダが笑う。
「さて、ここからが本題じゃ……この件は君らにしてみたらまだ終わりにできんじゃろ」
2回目!