46話!
マントを着た人物。見覚えがあった。セルカと会っていた人。
「あん? なんだアイツ、ゴーストが全く襲いかかってねぇな」
ゴーディルも気づいたようで不思議そうな顔をする。
「……ゴーストが従ってる様にも見えるんだけど」
僕はセルカを伺い見る。会っていた人物なら何か反応があるはず。
「あの人……なんで」
セルカがそうつぶやいた。やっぱりあの人物はセルカに会ってた人。
「セルカ、知ってる人? 味方なの?」
助けに来てくれたのだろうか。マントの人物は右手を前に突き出し、セルカを指差した。
「あの少女だ、他のは必要ない」
マントの人物の声。男の声でそう言った。マントの男の声を合図にゴーストたちが一斉にセルカに向かって動き出す。
「なっセルカ!」
「アイツが黒幕かい!」
僕とゴーディルがセルカに向かっていくゴーストを攻撃した。
「セルカ! 逃げて!」
数が多く何体かのゴーストが僕とゴーディルをすり抜けて行ってしまう。しかし、セルカは逃げず戦い続けた。
「逃げられません! みんなを残して、自分だけなんて!」
「でも、狙いはセルカだ! こんな数、無理だよ!」
明らかに数が増えている。召喚をしてるのか。でも増えている今この時も全く魔法陣が出ていない。何とかできる手立てはないか。
「エル! セルカを守れよ! 俺があいつを倒す!」
そう言うとゴーディルがマントの男に向かって走っていく。
「万全ではないね」
マントの男がそう言って微笑む。ゴーディルのスピードは普段より遅い。あれだけ消耗してたんだ、回復なんてできてるはずがない。
「そんな状態で私を倒せるとでも? 《止まれ》」
マントの男がそう言うとゴーディルがぴたりと止まる。
「あぁ?! 体が動かねぇ……だがそんなの関係ねぇな!」
そう叫んだゴーディルが無理やり動いてるのか、ゆっくりと突撃を再開した。
「素晴らしい! 強い、万全の状態では効かない可能性があるな」
そう微笑みながらマントの男がユラリと体を回転させて蹴りをゴーディルにくらわせた。
「がはッ」
反応してはいたもののゴーディルは動きが遅く防ぐことができず、地面に崩れ落ちる。
「ゴーディル! くそ!」
変わらずゴーストの猛攻が続いていて、セルカと僕はゴーストを倒していた。しかし。
「あっ」
僕の後ろからセルカの声が響く。何が起こったのかわからず、僕は振り向いた。
2回目!