41話!
「サモンズスペル自体が難しいですよね? 私は高等魔法はよくわかりませんが」
デークが困ったように言う。
「アンデット属性の魔力だけの方がまだ簡単かと思います……簡単といっても難しいですが」
「あっ、属性か」
「はい、話を戻して……先ほどの問いの答えとしては難しさにイメージの悪さも相まって使われないといったところでしょう」
「そっか」
「とりあえず……今日は休んでください、宿は用意しました、案内させますので皆さん動けるまで回復したら声をかけてください」
それだけ言うとデークは忙しそうに出て行った。
「エルさんサモンズスペルまで使おうとしたんですか? 欲張りですね」
「失敗したけどね……サモンズスペルは失敗したけどアンデット属性の魔力変換できたらゴースト対策できるね」
「アンデット系を召喚するのにアンデット属性の魔力が必要かも」
ネピアが何か思いついたようにそう言った。
「前試した時は普通の魔力だった、だから召喚失敗したかも」
「だとすると呼び出す物によって属性も変えるのかもね」
「うんうん、アンデットなら、アンデット属性、他なら他の属性」
なんとなくわかってきたかもしれない。嬉しくなってついつい笑顔になってしまう。
「エルさんが魔法すごい理由がわかった気がします」
いきなりセルカが少し呆れたようにそう言った。僕はよく意味が分からない。
「私の魔法へのベクトルとエルさんの魔法へのベクトルは違うって話です」
「そ……う?」
「そうなんです……私みんなの様子見てきます……宿で眠った方が休めるでしょうし」
それだけ言ってセルカは部屋の各所でダウンしている人たちの所を回っていく。
「僕は……できる事あるかな」
「アンデット属性の変換の練習とか」
僕の言葉にネピアがそう答えた。でもさすがにここでやるわけにいかないし、外に出るにしてもみんなの様子を見ておかないと。
「ゴーディルの回復が遅れるかも、エルだけでもアンデット属性が使えたら、もしもの時に使える」
「うーん、そっか」
僕は周りを見回した。まだ時間はかかるだろうか。するとヴェールが気を使ってくれる。
「アタシいるからいいぞ、みんな動けそうになったら声かけるぞ……近くにいればだけど」
「そう? じゃあお言葉に甘えて……ネピアちょっと行ってこようか」
コクリと頷いたネピアが立ち上がって僕のそばに寄る。僕達は部屋を出た。
1回目!